戦時中、作者は満州と旧ソ連国境の監視哨で軍務にあたっていた。望遠鏡で覗く平原の不穏な静けさ、近づくソ連軍の足音、捕らえられた中国人・張徳義の悲しみ、兵士たちのあてなき逃走……シベリヤ抑留を経て帰国後に発表された第二短篇集『鶴』にあるのは、透明な抒情で書かれた忘れがたき人と光景である。戦争文学の名著として知られる短篇集にエッセイと中篇を加えた「傑作選」の一冊。
装画 柳智之
カバーデザイン 五十嵐哲夫
1 鶴
張徳義
鶴
ガラ・ブルセンツォワ
脱走兵
可小農園主人
選択の自由
赤い岩
2 デルスー時代をめぐって - エッセイと中篇
〈わが著書を語る〉『鶴』
わたしのモデルたち
鶴
デルスー時代
空虚な海、内なる海ーー長谷川四郎『鶴』をめぐって 堀江敏幸
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