美しき緑の国アイルランド──ハリウッド映画のロケ地としても名高いこの国には、外見の美しさにとどまらないヨーロッパ文化の古層をなすケルト的感性が、抑圧の歴史とともに今も息づいている。『静かなる男』、『アラン』など四つの映画を題材に、イメージの運動である映画にこそ結晶する独自の感性を読み取り、極西の国に眠る豊饒と希望を描き出す。情熱あふれる語りで堪能する映画とアイルランドの世界!
まえがき
序論 「誤解された映画の国」アイルランド
コラム⓪ アイルランド鳥瞰図
第一章 ジョン・フォード『静かなる男』
-アイリッシュ・アメリカンの夢、
あるいはハリウッド的予定調和ー
コラム1 フォードの椅子とIFB本部、
そしてバークの崇高聖地ーーゴールウェイ
第二章 ジョン・カーニー『ONCE ダブリンの街角で』
-「映画にならない映画」、
あるいは移民記憶の二重性ー
コラム2 『ONCE』ロケ地点描、街の北と南ーーダブリン
第三章 ロバート・フラハティ『アラン』
-ドキュメンタリーの捏造、
あるいは「海」の崇高さー
コラム3 「ジミー・ザ・ジャップ」、
イニシィアの風となるーーアラン島
第四章 ジョン・セイルズ『フィオナの海』
-異界交流、
あるいは「海」と「妖精」の語りー
コラム4 あざらし妖精を求めてーードネゴール
第五章 映画からアイルランド美学の伝統を考える
-あいるらんど・ケルトの子守歌・装飾写本ー
コラム5 ハロウィン、「夏と冬/生と死」のあわい
--宇宙と縄文の異界めぐり
むすび 二一世紀を生きぬくための「アイルランド美学」の知恵
四つの「アイルランド映画」詳細情報
あとがき
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