本書では、統計力学がどのように成り立っているか、どのように応用されるかについて解説する。統計力学の物理学的位置づけは、諸熱力学量の間の一般的な関係を具体的な対象に適用するために必要となる、個々の物理系の熱力学的性質を、その系のミクロな力学的情報(運動方程式、ハミルトニアン)から導く手法であるといえる。
本書では、その原理、対象のモデル化について説明し、具体的な統計力学の適用方法に関する種々の計算手法(特性関数の方法、状態密度の考え方、量子統計での応答や密度行列の方法、相互作用がある系での転送行列の方法、平均場近似、モンテカルロ法など)の紹介を行っている。主に熱平衡状態を取り扱っているが、モンテカルロ法の原理としてのマスター方程式の考え方や、線形応答理論についての解説も行っている。
1 熱力学と統計力学
例題1【理想気体の状態方程式とマイヤーの関係】
2 統計力学の定式化:等重率の原理とボルツマンの原理
例題2【温度の定義とボルツマンの原理】
3 カノニカル集団とグランドカノニカル集団 18
例題3【カノニカル集団,グランドカノニカル集団での状態の出現確率】
例題4【カノニカル集団での物理量の平均値と分配関数の役割】
4 対象のモデル化:ハミルトニアン
例題5【モデル化の例】
5 理想気体の統計力学
例題6【カノニカル分布の方法による理想気体の状態方程式の導出】
6 2準位系の統計力学
例題7【2準位系のエネルギーの温度依存性】
7 特性関数の方法
例題8【モーメントとキュムラント】
8 量子系の統計力学
例題9【希薄な量子理想気体】
例題10【調和振動子】
例題11【量子スピン系】
例題12【量子系での応答と相関関数】
9 密度行列
例題13【密度行列の例】
10 状態密度
例題14【波数の状態密度】
例題15【黒体輻射】
11 縮退理想気体
例題16【フェルミエネルギー】
例題17【ボース・アインシュタイン凝縮】
12 相互作用がある系での分配関数
例題18【有限系で直接計算と部分和と転送行列の方法】
例題19【転送行列での相関関数】
例題20【はしご格子】
13 フラストレーションとエントロピー誘起秩序
例題21【フラストレーションとエントロピー誘起秩序】
14 平均場近似
例題22【平均場近似】
例題23【臨界現象】
例題24【平均場近似での自由エネルギー】
例題25【スピン状態の縮重度と1次相転移】
例題26【連続スピン系での平均場近似】
15 気相液相相転移
例題27【格子気体模型 (lattice gas model)】
16 モンテカルロ法とマスター方程式
例題28【マスター方程式】
例題29【モンテカルロ法】
17 線形応答
例題30【線形応答】
発展問題の解
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