巨大団地、誕生と再生の物語
戦後の膨大な住宅需要のなかで、東京北区に残された広大な陸軍の火薬庫跡地に、5000戸を超える「都営桐ヶ丘団地」が誕生した。
それから約60年を経て建替えの時期を迎えたこの団地をフィールドに、当時憧れの団地に入居できた喜び、建替えがもたらす戸惑いやコミュニティのゆらぎ、高齢化と介護、孤独死の問題など、団地住民たちの声を聞き取りながら、巨大団地と住民たちの戦後の歩みと現在をつづったエスノグラフィー。
[序章]
1 「団地」という問題
2 老年
3 住まい
4 本書の構成
【第1部 団地と家族】
[第1章 「家庭」の成立と「団地族」の誕生]
1 「家族団欒」の「家庭」の成立
2 戦後集合住宅の大量生産
3 団地ライフ
[第2章 戦後公営住宅政策の展開と衰退]
1 「国民住宅」としての出発
2 家族・持ち家中心の住宅政策
3 家族再生産の場としての任務の終了
4 家族主義の再考
【第2部 老いゆく団地】
[第3章 都営桐ヶ丘団地の暮らし]
1 都営桐ヶ丘団地の誕生
2 桐ヶ丘団地に刻まれている人生
3 桐ヶ丘団地の地域コミュニティ
4 古い住民が共有する豊かな時代
[第4章 介護保険時代の老いの経験]
1 地域福祉における新しい公共
2 北区社会福祉協議会と桐ヶ丘デイホーム
3 介護予防の地域的実践
4 施設の忌避、依存の忌避
5 「公共」の実験場
【第3部 建替えと1DK】
[第5章 建替えと高齢化]
1 建替えの流れ
2 改善事業と空き家
3 移転がもたらす孤立の問題
[第6章 居住の貧困]
1 シングル時代の間取り
2 建替え過程における住民の疎外
3 コモンズ的公用空間の衰退
【第4部 孤独と尊厳】
[第7章 孤独な死]
1 「孤独死が一番怖い」
2 孤独死のアンビバレンス
3 おくりびとの不在
[第8章 また、団地ライフ]
1 「住み心地のいい匿名性」
2 生の領域
3 他人の意味
おわりに
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