20世紀日本を代表する京都学派の哲学者・田辺元。大戦間期にフッサールやハイデガーと交流し、〈種の論理〉をはじめ当時世界最先端の哲学を展開した思想家の限界と可能性とは何か? コロナ禍の危機のなかで開かれた田辺元記念哲学会・求真会主催の記念シンポジウムをもとに、気鋭の執筆者らが世界哲学的な観点から田辺哲学の今日的意味に迫る。本邦初訳「フッサールから田辺宛の書簡」も収録!
まえがき 田辺哲学を開く 【廖欽彬】
第1部 座談会+総合討議 田辺哲学の現代的意義──コロナ時代に向けて
《座談会》 司会:秋富克哉
提題:板橋勇仁 同一性の統御を超えて──種の論理の弁証法のいま
出口康夫 初めからの「実存協同」へ
上原麻有子 取り残されたる「我と汝」の問題
張政遠 コロナ禍のなかで「危機の哲学か哲学の危機か」を読む
廖欽彬 「体制なき体制」の思考
《総合討議》 コメント:小林敏明 司会:直江清隆
第2部 田辺哲学研究の現段階
藤田正勝 田辺元の「死の哲学」
嶺 秀樹 田辺の後期哲学における歴史主義──行為的直観批判を手がかりとして
田口 茂 田辺元の「媒介」概念とそのポテンシャル
朝倉友海 田辺哲学における存在と数理の連関
浦井 聡 倫理と論理──「種の論理」における合理化の構造と意義
第3部 世界哲学に開かれた田辺哲学
納富信留 田辺元とギリシア哲学──プラトン弁証法としての「種の論理」
牧野英二 田辺とディルタイの哲学的思索の「家族的類似性」──『ディルタイ=ヨルク往復書簡集』とハイデガーの影響作用史再考
植村玄輝 田辺の潜在的な競合相手としてのフッサールの社会存在論──有意義な比較のための序説
郭旻錫 植民地朝鮮と田辺元──朴鍾鴻との比較を中心に
廖欽彬 形の論理──唐木順三と田辺元の制作をめぐって
第4部 危機の時代の田辺哲学
上原麻有子 田辺哲学への問い──不可視の他者
板橋勇仁 「懺悔道」と「国家的存在の論理」の積極的意義──自由な行為の「必然」を求めて
鬼頭葉子 田辺元における愛の三一性の構造──キリスト教神学の視点から
田島樹里奈 田辺元の「友愛」思想──「自由・平等・友愛」に潜む宗教性とプロパガンダ
河合一樹 種の論理と近代の「家」
織田和明 田辺元の倒し方──絶対転換としての絶対無の空虚さをめぐって
田辺元年譜
あとがき 【河合一樹】
資料編 [ドイツ語からの翻刻/日本語訳/解説]鈴木崇志+浜渦辰二
[中国語訳/解説]倪梁康
1 エトムント・フッサールから田辺元への書簡
2 マルヴィーネ・フッサールから田辺元への書簡
書簡写真/翻刻テクスト/日本語訳/中国語訳
3 解 説 (付・田辺元からフッサールへの書簡)
4 中国語版解説 (付・田辺元からフッサールへの書簡・中国語訳)
事項索引
人名索引
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