ドイツ本国でだけで89万部超! あなたはこれほどまでの衝撃作に、 かつて出会ったことがあるだろうか? 人間が抱く深い闇を見事に描き切り、 しかもミステリとしての完成度が完璧とは! 信頼するケイレブ警部が停職中のため、ケイトは彼の部下と、ふたつの不可解な事件の捜査にあたる。彼女が救った女性はロシアの出身だったが、なにか秘密があるようだ。四肢麻痺となった女性はリハビリ施設への移送中に移送車ごと拉致される。どちらの事件にも隠された過去が絡んでいた。ドイツミステリの女帝が贈る慟哭のミステリ。かくも衝撃的な作品がかつてあっただろうか?
レビュー(7件)
非常に勘がよく有能であるにもかかわらず、なぜか自己評価が恐ろしく低いケイト。それでも、「裏切り」にて父の偶像を打ち壊し、その後、さまざまな経験を経て、少しずつ自分らしさを取り戻していきます。本作では、その第一歩として地方のスカボロー署に自分の居所を得るべく赴任したものの、この地を選んだ同僚のケイレブは不在で、後任のあまり切れの良くない人物と事件の解決に取り組むことになります。 性善説が通用しない、純粋な悪の芽なる人物は存在するのですね。 この巻も非常に味わいと読みごたえがある作品でした。 余談ですが、あまりにもケイレブの行く末が気になったので、海外サイトのレビューを読み漁りましたがけっこう不穏な感じです。