政治の源流たる古代ギリシャ・ローマ、戦争と革命に彩られた西洋と日本の近代、そして『エヴァンゲリオン』--「ルソー的なるもの」をめぐる思想史論集
人類に真の「幸福」をもたらす秩序とは、いかなるものか。生涯を賭けてこの問いに挑んだ思想家、ジャン=ジャック・ルソーは、近現代の精神史に巨大な足跡を遺した。その射程は、現代日本のアニメーション文化にまで及んでいる。本書はルソーの思想の本質を解き明かしたうえで、ゲンツ、ニーブーア、トクヴィル、林達夫、福田歓一など、「ルソー的なるもの」に魅せられながらも対峙した知識人たちの軌跡をたどる。気鋭の思想史研究者による、知的刺激に満ちた論集。
序 章
第1部 「ルソー的なるもの」をもとめて
第1章 「ルソー的なるもの」の現在ーー『新世紀エヴァンゲリオン』
はじめに
1 否定性の物語
2 「自分で考え、自分で決める」
3 「ルソー的なるもの」をめぐって
第2章 実存と補完ーージャン=ジャック・ルソー
はじめに
1 疎外
2 実存
3 補完
4 「名状しがたい空虚」
第2部 ルソーとの対峙
第3章 均衡の宇宙ーーフリードリヒ・ゲンツ
はじめに
1 政体と均衡ーールソーとの対峙
2 歴史と均衡ーー革命に抗して
3 平和と均衡ーー「技術」としての「政治」
第4章 起源としてのローマ王政ーーB・G・ニーブーア
はじめに
1 方法と関心
2 ローマ王政論
3 「立法者」としてのセルウィウス
第3部 ルソーが遺したもの
第5章 平等と専制
はじめに
1 古代ギリシア
2 一八世紀
3 一九世紀
4 二〇世紀
第6章 象徴と政治
はじめに
1 フランス革命と一九世紀
2 二〇世紀(1)--「象徴」の操縦
3 二〇世紀(2)--福田歓一とルソー
第7章 笑うエピキュリアンーー林達夫
はじめに
1 「戦闘的無神論者」
2 「フォークロア」へ
3 「エピキュリアン」と「政治」の運命
終 章 歴史研究は何の役に立つのかーールソーとトゥキュディデス
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