【輸入盤】 『ラインの黄金』全曲 クナッパーツブッシュ&バイロイト、ホッター、ゴール、他(1958 モノラル)(2CD)
ワーグナー:『ニーベルングの指環』(分売)
クナッパーツブッシュ&バイロイト1958
素晴らしい音質で登場!
植村攻氏の著書『巨匠たちの音、巨匠たちの姿〜1950年代・欧米コンサート風景』で20ページに渡ってとりあげられ、その様子が克明に記されていることでも知られる「58年リング」がWALHALLレーベルから分売で登場します。
クナッパーツブッシュは、1951・1956・1957・1958年と4つの年度に渡ってバイロイト音楽祭で『ニーベルングの指環』を指揮しており、そのうちの1951年の上演に関しては『神々の黄昏』しか録音が残されていないため、全曲を聴けるのは1956・1957・1958年の3つの年度のものということになり、それらはすでにCD化されてもいます。
しかし1958年盤は廃盤で、価格もかなり高いものだったので、今回、廉価な分売で発売されるのは、入手できていなかったファンには非常に嬉しいところです。
クナッパーツブッシュの3つの『リング』については、これまでにもさまざまな議論が展開されてきました。特にオルフェオ・レーベルがバイエルン放送音源による1956年盤を発売してからは、同セットがHMVオンラインだけで1000セット近いベストセラーを記録するなど、クナの『リング』演奏の認知度が一気に高まった感じです。
ちなみに1956年は、クナはカイルベルトと二人で『指環』チクルスを担当したほか、クナ単独で『パルジファル』を指揮した年度で、1957年は、『指環』はクナ単独でしたが、『パルジファル』がクリュイタンスと二人、1958年は『指環』『パルジファル』共にクナッパーツブッシュ単独の指揮という年度でした。
つまり1958年のクナは久々に伸び伸びとバイロイトで振舞えたということになるのかもしれません。肝心のキャスティングは、1957年盤が最も良いという意見が多いようですが、1958年盤も1956年盤も豪華であることに変わりはなく、このあたりは歌手の好みの問題になりそうです。
懸念される音質は当時のライヴとしては最上級の部類に入るもので、生々しいオーケストラ・サウンドと個性豊かな歌手たちの声がつくりあげるクナ独特の巨大なうねりを感じさせる演奏の姿を過去最高の音質で伝えてくれるのが嬉しいところ。
先にリリースされた1957年盤もかなり聴きやすいものでしたが、録音技術が日進月歩だった時代ということもあってか、情報量の飛躍的な増大ぶりには驚くほかありません。WALHALLは良質なヒストリカル・オペラ録音をこれまでにかなり多くリリースしていますが、今回のはまさに金字塔と呼べるクオリティです。
クナッパーツブッシュ・ファンのみならず、往年のオペラ演奏やワーグナーの音楽に魅力を感じる方すべてにオススメしたい見事な『指環』の登場です。
・ワーグナー:『ラインの黄金』全曲
ハンス・ホッター(ヴォータン)
エリク・ゼーデン(ドンナー)
シャンドール・コーンヤ(フロー)
フリッツ・ウール(ローゲ)
フランス・アンデルソン(アルベリヒ)
ゲルハルト・シュトルツェ(ミーメ)
テオ・アダム(ファゾルト)
ヨゼフ・グラインドル(ファフナー)
リタ・ゴール(フリッカ)
マリア・フォン・イロシュヴァイ(エルダ)
エリーザベト・グリュンマー(フライア)
ドロテア・ジーベルト(ヴォークリンデ)
クラウディア・ヘルマン(ヴェルグンデ)
ウルスラ・ベーゼ(フロースヒルデ)
バイロイト祝祭管弦楽団
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)
録音:1958年7月27日(モノラル)
録音場所:バイロイト祝祭劇場(ライヴ)
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