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260年の泰平の間に、積もり積もった借金はなんと25万両! この世のものとは思えぬ負債を知った長男はショックで急死してしまった。 丹生山松平家12代当主は、次男三男を飛び越えて庶子の 四男・小四郎に後を継がせて隠居すると、 ひそかに「大名倒産」の準備を進め…… 何も知らずに大名家の家督を継いでしまった21歳の 小四郎、糞がつくほどの真面目さ誠実さを武器に なんとか倒産を防ごうと必死の「経営再建」に乗り出すが。 参勤行列を整える金にも困窮つつ 三万石の御領国・丹生山へ初のお国入りをした小四郎は 倹約また倹約、殖産産業の鮭の養殖、国家老も商人も巻き込んで なりふり構わぬ金策。しかし焼け石に水… 健気な若殿の大逆転はなるのか。 万策尽きた時、人の世を眺めていた七福神たちが動き出す⁉ <逃げ切りを目指す親世代5S巨大な負債を押し付けられた若者> 笑いと涙がてんこ盛りの豪華エンターテインメント!! 巻末対談 浅田次郎×磯田道史
レビュー(42件)
思いもよらない展開で、興味深く一気に読むことができました。
大名家には金がない!?
天下泰平260年の間に積もり積もった藩の借金25万両。あまりの巨額に嫡男はショック死ー丹生山松平家12代当主は、庶子の四男・小四郎に家督を譲るとひそかに「倒産」の準備を進め、逃げ切りを狙う。そうとは知らぬ小四郎、クソがつくほどの真面目さ誠実さを武器に、最大の難関・参勤行列の費用をひねり出そうとするが。。。 * TV時代劇ドラマ「壬生義士伝 新選組でいちばん強かった男」や「一路」を観て大変面白く感じ、その原作者:浅田次郎さんの時代小説を読んでみたいなと思い、その作品を読み始めました。 あらすじから察すると、壬生義士伝のシリアスで真面目な物語かと思っていまいしたが、確かに上巻はそんな感じで、若き現藩主や家臣たちの苦労アレコレ、前藩主の計画倒産の悪だくみアレコレと読み応えはありましたが、展開のスピード感がなく、読み疲れし、いつものような一気読みではありませんでした。 ----- ■本書の基本情報 ・筆者:浅田次郎(アサダジロウ) ・略歴:1951(昭和26)年、東京生まれ。陸上自衛隊に入隊、除隊後はアパレル業界など様々な職につきながら投稿生活を続け、1991年、『とられてたまるか!』で作家デビュー。「地下鉄(メトロ)に乗って」(1995年、第16回吉川英治文学新人賞)、「鉄道員(ぽっぽや)」(1997年、第117回直木賞)、「壬生義士伝」(2000年、第13回柴田錬三郎賞)、「お腹召しませ」(2006年、第1回中央公論文芸賞、同年、第10回司馬遼太郎賞)、「中原の虹」(2008年、第42回吉川英治文学賞)。2015(平成27)年、紫綬褒章受章。2019年、菊池寛賞受賞。 ・出版:文藝春秋 ・発売:2022年9月(第1刷) ・ページ数:383p ■これまでに購読した浅田次郎の著書 ・「黒書院の六兵衛」(上・下巻) ・「天切り松闇がたり」…第1巻まで ----- ◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%
浅田次郎さんの作品の中では、こういう系統が好きです。 一路とか。 お家再建がかなうのか、上巻は、なかなかいろいろな人や状況を読み解きながら 時間をかけて読みました。
本でもポイントが付き、到着も早くて助かります。内容も面白かったです。
個人的には浅田次郎のベスト3に入ると思います。