17世紀フランスにおいて世俗化の進展を背景に、人間の活動の動機と社会の構成原理を「功利」にみる新たな見方が生み出され、富や奢侈に対する軽蔑・否認からその称賛・容認へと、価値観の大きな転換が生じる。本書の著者ボワギルベールは、このような歴史的文脈の下で、欲求・効用や消費が主導する経済世界を前提に、スミスよりも半世紀以上も早く、「レセ・フェール(自由放任)」の秩序原理を見出し、これに基づく自由主義経済学の創生に向けて画期的な一歩を踏み出した。本書は『フランス詳論』(1695年)のほか、スミス『国富論』のプロトタイプとも目される「富論」と、ケネーの先蹤とも評価される「穀物論」の2論説を収録する。いずれも経済学・経済思想の歴史上、注目に値する重要な著作である。本邦初訳。
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