啓蒙主義から観念論にいたる思想史上の黄金期に、哲学者・文学者が注視したのはスピノザであった。危険視されていたその哲学への接近と反発、そして摩擦的読解の連鎖が豊饒な哲学革命を生み出してゆく。「スピノザ・コネクション」が切り拓く新たな哲学史の地平。
序 「スピノザと」読み解く近代ドイツ哲学史……………加藤泰史
第1部 ドイツ啓蒙主義とスピノザ(主義)
第一章 ピエール・ベールと『歴史批評辞典』の「スピノザ」……………伊豆藏好美
第二章 ライプニッツの神学政治論……………佐々木能章
--合理主義の系譜
第三章 凡庸さの問題、あるいは、誰がスピノザを殺したか?……………平尾昌宏
--クリスチャン・ヴォルフのスピノザ批判
第四章 スピノザ論争がバウムガルテンに残した課題……………津田栞里
--実体に相応しいのは神か? 被造物か?
第2部 汎神論論争とその周辺
第五章 レッシングとスピノザ……………安酸敏眞
第六章 スピノザとメンデルスゾーン……………後藤正英
--汎神論論争が抱える「神学・政治問題」
第七章 ヤコービとスピノザ論争……………佐山圭司
第八章 ヘルダーとスピノザ……………笠原賢介
--ドイツ啓蒙の脈絡のなかで
第九章 ゲーテにおけるスピノザ受容……………中井真之
--F・H・ヤコービとの関係において
第一〇章 スピノザおよびヘルダーにおける自然構想……………エファ・シュアマン(長澤麻子訳)
第3部 カントとドイツ観念論のスピノザ受容
第一一章 カントとスピノザ/スピノザ主義……………加藤泰史
第一二章 フィヒテ知識学の展開におけるスピノザ批判の重要性……………入江幸男
第一三章 若きシェリングのスピノザ主義……………中河豊
第一四章 ヘーゲルのスピノザ受容……………佐山圭司
第一五章 ポエジー・観念論・神秘主義……………平尾昌宏
--初期ロマン派とスピノザ
後書き……………加藤泰史
書誌一覧
近代ドイツにおけるスピノザ関連年表(一六七〇─一八三二)
人名索引
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