プラトニック・ラブは一般に性愛をともなわない純粋な恋愛と理解されているが、もともとプラトンが語る恋愛はそのような性格のものではなかった。哲学=知への愛(ピロソピアー)はエロース(恋愛)やマニアー(狂気)という言葉で表現される。神話ではエロースは翼をもつ神であるが、真実在に向かって飛翔する人間の魂と重ね合わせられる。本書はいくつかの対話篇、同時代からの情報を手がかりに、プラトンが語るプラトニック・ラブの本質を明らかにする。
はじめに
第1章 エロースとは何か
1 プラトンの『饗宴』
2 パイドロス演説
3 パウサニアス演説
4 エリュクシマコス演説
5 アリストパネス演説
6 アガトン演説
第2章 哲学的エロース
1 中間者としてのエロース
2 エロース誕生の神話
3 エロースのはたらき
4 不死への願望
5 エロースの秘儀
第3章 詩人のインスピレーション
1 ホメロスにおける詩人の呼びかけ
2 二つの真実
3 ヘシオドスの場合
4 『イオン』における詩人の位置
第4章 エロース(恋)からマニアー(狂気)へ
1 プラトンの『パイドロス』
2 ダイモーンの合図
3 パリノーディア(取り消しの歌)
第5章 三つの狂気
1 予言的狂気(マンティケー)
2 秘儀的狂気(テレスティケー)
3 マイナデス/バッカイ
4 コリュバンテス
5 ギリシア劇の誕生
6 詩人の狂気(ポイエートーン・マニアー)
第6章 魂の不死と輪廻転生
1 魂は不死である
2 二頭立て馬車の比喩
3 魂たちの行進
4 オルペウス教
5 アドラステイアの掟
6 輪廻転生
7 転生とイデア
8 イデアの想起
第7章 第四の狂気ー最も幸福な秘儀
1 ソーマ=セーマ説
2 原罪とは
3 恋の遍歴
4 さまざまな恋愛
5 魂の格闘
6 恋の成就
終 章 プラトニック・ラブとは何か
1 二つの恋の行程
2 問題のゆくえ
3 プラトン的エロースとキリスト教的アガペー
補 章 ルネサンス・プラトニズム
1 ルネサンス期のフィレンツェ
2 フィチーノのプラトン理解
あとがき
参考文献(読書案内をかねて)
索引(人名/事項)
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