●その自由連想法の進め方,解釈の仕方,人間的側面をも伝える記録。
●73回にわたる毎日の分析の経過が,フロイトとのやりとりを中心にセッションごとに具体的に細かく記されている。一方,精神分析の理論や治療についての基本的な疑問もいろいろ出されていて,それに対し誠実に根気よく,時にはイライラしながら応対している老フロイトの姿が印象的である。
■本書は、人間として、分析者としてのフロイトの真の姿を示したものである。著者か4ヵ月にわたって、毎日フロイトに接しながら書いたもので、偉大な人物の数々の魅力ある見解が自由に記されている。著者は、いくつかの疑問を抱いて、治療でなく訓練のために分析を経験したもので、会話のかなりの部分は精神医学的理論、〔精神分析の初心者によくみられる〕基本的な質問がとりあげられている、そこでの2人の間の論議と見解の相違が、本書の読みどころである、フロイトの姿の多くは、今日あまりに偶像化されすぎていて、生きた人間としての姿は隠されていたといえよう。本書のいたる所に、フロイ トが見ていたもの、彼の手もとにあった本、大きなチャウチャウ犬が寝椅子の足もとに座っていたという事実、彼のキチョウメンさなど、人間としての魅力的な断片がちりばめられている。また実際に、フロイ ト、エリス、マイヤーからの手紙も具体的に示されている。フロイトはわれわれの時代の(おそらくいつの時代にあっても)偉大な人物の一入として認められているものであるが、その意味で、本書は人間フロイトを知るうえできわめて重要なものである、というべきであろう。
●目次
はじめに
I 当時の状況
II フロイトとの出会い
III 分析の過程
IV 帰国
V 回顧と結論
解説/本書の概要/本書の特徴/当時のフロイトの背景/分析過程について/分析の総括/翻訳に際して
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