本書は前書『文明のなかの数学』の古代オリエント,ギリシャ,アラビア時代に続く数学についてまとめたものである.
数学史における主流の題材と数学者ばかりではなく,現代数学に繋がるという視点をいったん脇に追いやり,その時代の数学とみなされるものとその背景を見ていく.今日ではあまり馴染みのない数学的題材や数学者たちも登場し,ときには脇道に逸れることもあるが,それらを通じて数学が如何に展開していったのか,どこを向きつつあったのかを思い描きながら,徐々に発酵していく数学,そして消えていく数学を眺める.そうすることによって,数学に対する既存の見方が覆され,新しい視界が広がるのではないか,といった思いで書かれた数学歴史書である.
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