決定理論とは、20世紀前半〜中盤にWaldによって始められた、それまで別個に展開されていた推定や検定などの理論を統一的に扱うものとして展開されてきた、数理統計学の中でも最も原理的な分野である。本書では、その統計理論を中心として、数理統計学を解説していく。
まず最初に、測度と積分など、本書を通じて基礎となる重要な諸概念をまとめる。次に、十分統計量・十分加法族の理論、不偏推定・不偏検定の基本、Bayes解・ミニマックス解・完備類などの概念を解説していく。その後である変換群のもとで不変な決定問題や決定関数について述べ、最後に許容性の問題を扱う。
『共立講座 現代の数学33 数理統計学』として1978年初版発行後、以来、長年にわたり多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度、多くの読者からの要望を受け単行本に改装し発行するものです。
第1章 序論
1.1 測度と積分
1.2 確率空間
1.3 主要な確率分布
1.4 条件つき確率と条件つき平均値
1.5 凸集合と凸関数
1.6 指数形分布族
1.7 統計的決定問題
第2章 十分性
2.1 可分性
2.2 弱収束
2.3 十分性
2.4 最小十分性
2.5 完備性
2.6 指数形分布族での十分性と完備性
第3章 不偏性
3.1 不偏推定
3.2 Cramér-Raoの不等式
3.3 最強力検定
3.4 不偏検定
第4章 Bayes解とミニマックス解
4.1 Bayes解
4.2 ミニマックス解
4.3 完備類
4.4 Bayes推定とミニマックス推定
4.5 Bayes多重決定とミニマックス多重決定
4.6 検定問題での最も不利な分布
第5章 不変性
5.1 不変性
5.2 最大不変量
5.3 不変性とほとんどの不変性
5.4 十分性と不変性
5.5 不変推定
5.6 不変検定
5.7 不変多重決定
5.8 Haar測度
5.9 不変性とミニマックス性
第6章 許容性
6.1 許容性
6.2 正規分布の平均値ベクトルの推定の許容性
6.3 指数形分布族の平均値の推定の許容性
6.4 正規分布の分散の推定の許容性
6.5 広義のBayes解と一般Bayes解の許容性
6.6 位置母数の推定の許容性
6.7 指数形分布族の検定の許容性
6.8 分散分析の検定の許容性
6.9 位置不変多重決定の許容性
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