二つの世紀を越えて燦然とその名を歴史に刻むフランツ・シューベルト。一人の青年が大作曲家へと孵化するには、かけがえのない友と出会い、そして別れなければならなかったー。遺された楽譜、友人との書簡、そして近代化に揺れ動く19世紀ヴィーン。それらが重なるとき、シラー、ゲーテ、ノヴァーリスらが闊歩するロマン主義のただなかに、ドラマは浮かび上がる。気鋭の著者による音楽思想劇!
はじめに
凡例
序 章 シューベルトの時代
一 二羽の白鳥
二 豊饒な背景
三 突出的瞬間
四 思想的背景
五 突出と内省
第1章 共生と孤独
一 さすらい
二 分裂
三 破局の嬰ヘ短調
四 楽園への呪詛
五 天地の隔絶
六 孤独の完成
第2章 規範と自由
一 新星
二 「新たな道」
三 自由の諸相
四 異名同音の美的意味
五 規範と自由のはざまで
第3章 教化育成の黄昏
一 誘惑
二 境域(エレメント)としての友人
三 リンツ・サークルの美学思想
四 理念の結実、そして解体
五 ショーバーの別離
第4章 啓蒙から幻想へ
一 喪失と再生
二 連帯
三 幻想
四 失われたものの現前
五 逃避の美学
第5章 憂鬱な詩人と超越の欲望
一 身体の溶解
二 痛みと超越
三 痛みと愛
四 北国の海、南国の花
第6章 未来と過去
一 前進と没入
二 喪失と再生
三 ショーバーの花
四 ロマン主義の中のシューベルト
終節 友の楽園
註
あとがき
譜例
参考文献
索引
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