【POD】ジェロンディフと現在分詞の意味論・語用論
フランス語には、現在分詞と、形のうえではそれに前置詞enを冠したジェロンディフという形式があり、後者は英語でいう分詞構文専用の形であるとか、その意味上の主語は文主語と一致しなければならない、ということを初級文法の段階から学習する。しかし、L'appétit vient en mangeant. (食欲は食べているうちに来る) のような文は主語一致の原則をやぶるものであるにもかかわらず、とりわけ指弾されているわけではない。しかも、実例にあたってみると、主語不一致事例はけっして諺や固定表現にかぎられるわけではなく、こんにちもなお生産性を発揮していることが明らかになる。とかく規範が厳格なことで知られるフランス文法にあって、これは不思議なことではなかろうか。 本書ではまず、現在分詞との相異にとくに着目して、ジェロンディフ全般の機能について論じる (第1章)。そのあと、主語不一致ジェロンディフに目を移し、総論 (第2章)、そして各論 (第3章) へと進んでゆく。(はしがきより)
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