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「弊機は壊れてしまいました」 ドラマ大好き、人間は苦手な 暴走人型警備ユニット“弊機”が 任務中に謎の障害発生!? ヒューゴー賞・ネビュラ賞・日本翻訳大賞受賞シリーズ最新刊 ドラマ大好き、人間は苦手な暴走人型警備ユニットの“弊機”は、植民惑星での異星遺物汚染事件に巻き込まれるが、ARTこと探査船ペリヘリオン号の協力もあり、窮地を脱する。だがこの惑星を狙う冷酷な企業は、諦めてはいなかった。しかも弊機は原因不明の機能障害に襲われ……はたして弊機は入植者を救い出せるか? ヒューゴー賞4冠&ネビュラ賞2冠&ローカス賞5冠&日本翻訳大賞受賞の大人気シリーズ、待望の第4弾!解説=池澤春菜
レビュー(15件)
続きが楽しみなシリーズです
国よりも企業が中心になって動いている宇宙時代の設定が独特で、企業文化ならではの正義や裏道があるのが面白い。そして、主人公「弊機」とART(不愉快千万な調査船)とのコンビも相変わらずで楽しい(弊機は少しずつ正確に変化が出てきている感じですが)。本作がシリーズ4作目ですが、まだまだ続きがあるそうなので、楽しみ楽しみ。
待望の兵器・・・ではなく弊機の最新刊です。邦訳としては、二つ前の長編「ネットワークエフェクト」の続きにあたります。前作から期間があいたためか、「ネットワークエフェクト」のあらすじが巻頭に記載されていましたが、はっきりいって時間だけでなく物理的(紙面的)にも無駄で愚かなお世話です・・・と弊機ならつぶやくでしょう(心の中で)。冒頭に一文注釈を入れた上で巻末に付録として収録すべきでしょう(弊機風)。人間の私でもまだるっこしかったです。マニュアルの類でもこの手のコンテンツは巻末の付録です。 そもそも本シリーズは「マーダーボット・ダイアリー」と冠されているように、弊機が大変・・・ではなく体験した日々の出来事を弊機の視点で独語するものです。そのためかどうやら長編とは相性が悪い印象です。特に今回は冒頭の弊機のぐだぐだ感を弊機が淡々かつぐるぐると綴るだけで、没入するのが非常に難しかったです。特にこの前半で著者が意識しているのかいないのか「弊機ならこう考えるはず」とか「弊機ならこうするはず」的フレーズが多く、乗り切ることができませんでした。 やはりダイアリーで長編を引っ張るのは難しいようです。シリーズ物のドラマのように中編3本立てで1本のストーリーとした方が、本作の良さが引き立つように感じます。 というわけで★三つです。