自分の流産・早産の体験から、人の心身の健康をテーマに表現活動に取り組む女性アーティストの初著作。
前半では、子宮脱落膜ポリープが引き金となった(と考えられる)自身の流産・早産の経験が語られます。子どもを喪った衝撃と深い悲しみの中で、作者は自分なりの振り返りを行い、これまで妊産婦の間で常識と考えられてきたことや、医療行為における人権問題にも意識を向けていきました。自分の中に生まれる疑問を一つずつ確かめるように論文を読み解き、身体の改革にひたむきに取り組む姿は、悲しみに正面から向き合い、起きてしまったことへの原因を探っていく葛藤のドラマでもあります。その体験を通じて、作者は次第に能動的な立ち位置からこの問題を考えるようになっていきます。後半では妊娠・出産という”女性”特有のテーマにおいてこれまであまりなかった語り口が、不妊治療を受ける友人を皮切りに、妊娠・出産に関わる専門家たちへの興味深いインタビューとなって、作品に収録されています。
本書に書かれていることはある妊娠・出産にまつわる経験のたった一例であり、当然のことながら同じ経験をされた方の声を代弁するものではありません。これまで個々の女性が人知れず背負ってきた妊娠・出産にまつわるすべての経験が、どれ一つとして否定されることなく、語れる世の中になることを切に願いながら、この本を出版しました。
第一章 私の流産と早産
ポリープの切除
流産
原因の究明
娘とアートと手元供養
ポリープの切除、再び
細菌性腟症と絨毛膜羊膜炎
腸内、腟内および子宮内細菌叢
糖質制限とシンバイオティクス
妊娠糖尿病
エネルギー摂取量、身体活動量および筋肉量とインスリン抵抗性
ブドウ糖とケトン体
切迫早産と入院生活
早産
第二章 心と身体の健康
アート作品づくりの始まり
妊娠出産と心身の健康
INTERVIEW-不妊治療の現場で
CASE0. 不妊治療を受ける
CASE1. 生命の始まりに関わる
CASE2. それぞれの問題を見極める
CASE3. 夫婦の関係を見つめる
CASE4. 女性の一生と向き合う
LIFE STORY INTERVIEW
心と身体の関係性
付記・TALK
大久保美貴✖️子鹿社 田邊詩野
あとがき
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