黄進興氏が自ら厳選した孔子廟研究に関する14編の論考を「黄進興著作選集」として、二冊に分けて刊行。これらの論考は、儒教の宗教としての特質を歴史的に儒教が果たしてきた役割に即して解明し、国家宗教としての儒教の本質を明らかにし、孔子廟を政治と宗教とが交わる重要な場としてとらえ、孔子廟従祀制度の変遷に沿って、中国思想史の展開を跡づけている。
『黄進興著作選集』の第一冊にあたる本書『孔子廟と儒教』は、孔子の末裔たちが私的に行う孔子祭祀が、国家の祭祀系統に組み込まれていく過程や、儒家の道統に対する価値基準の変遷などを分析することにより、儒教史・儒学史の変遷を映し出す。更に、他の宗教(キリスト教・仏教・イスラム教)との比較により、儒教の宗教としての特徴を導きだしている。
「台湾学術文化研究叢書」刊行の辞(王徳威)
日本語版序ーー孔子廟と私(黄進興)
第一章 権力と信仰ーー孔子廟祭祀制度の形成
第二章 学術と信仰ーー孔廟従祀制度と儒家の道統意識
第三章 宗教としての儒教ーー比較宗教の初歩的試み
第四章 聖賢と聖徒ーー儒教従祀制とキリスト教列聖制の比較
第五章 清末民初における儒教の「脱宗教化」
第六章 私の儒教研究回顧ーー儒教の聖域としての孔子廟
第七章 孔子廟の解体と再興ーー伝統文化の変容がもたらした苦境
初出一覧
訳者あとがき(中純夫)
『孔子廟と儒教ーー学術と信仰 黄進興著作選集(一)』解説(中純夫)
索引
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