社会保障についての国民の基本的要求と、社会保障の抜本改革を志向しながらその実現への決意を示さない政府の対応とのギャップは、21世紀を迎える日本の国、社会にとって憂慮される深刻な事態である。本書の基本的な執筆意図は、日本の社会保障制度の再構築に向けて、「給付と負担」の最低限要求を提言しようとするものである。これから促進されそうな社会保障改革のなかで、最低限度遵守されるべき基本的事項を医療、年金、雇用、労災、介護などの社会的事故に対する社会保障のミニマム要求として提示する。今後、これらの事項に対応する制度を横断的にとらえ、連携や調整により「適正化」を実現するにせよ、これらの個々の社会的事故に内在する問題点は重視されねばならない。
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