十七〜十八世紀における日本儒学の勃興は、中国における明清交替の波を受けてさまざまな異色の思想を生んだ。中国で起こった「理学」(朱子学)から「考証学」への転換を視野に入れながら、近世日本という特殊な「思想空間」を読み解く注目の研究。
序 論
一、問題の所在と研究史の整理
二、本研究の視点・対象・方法
三、本書の構成
第一章 「大礼の議」事件以降の明代思想世界と近世日本儒学の始動
はじめに
一、「大礼の議」事件と明代後期の思想動向
二、東アジアにおける「大礼の議」事件の波紋と明代学問思想の東伝
まとめ
第二章 経書の「読み方」から見る十七世紀末〜十八世紀初めの日本儒学
はじめに
一、林羅山・林鵞峰の経書研究と近世初期日本儒学の様相
二、伊藤仁斎の経書研究──「四書」に対する問題提起
三、明代経学の学習と古義学的経書理解の成立
まとめ
第三章 荻生徂徠と十八世紀における儒学「知」の普及
はじめに
一、徂徠の言語研究と十八世紀前期日本の言語研究
二、古文辞学における明代復古思想の受容
三、古文辞学の経書解釈と明代考証経学の受容
まとめ
第四章 「反徂徠」という思想空間と学問世界の明清交替
はじめに
一、「反徂徠」を掲げる人々──明代学術の吸収と反芻
二、「反徂徠」のなかに見る古学の新たな展開──五経研究の深化
三、「折衷」と「考証」──十八世紀後半の日本儒学のゆくえ
まとめ
第五章 近世的思想空間と学問集団の形成
はじめに
一、近世初期の学問空間の成立
二、共同活動による学知の共有と伝承──古義堂の事例から
三、学塾における「体験」と地方における学問集団の形成
まとめ
結 論
一、本研究の成果
二、課題と展望
あとがき
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