ディスカスの本を読んで、この本も読みました。読みやすいです。,叙情的な小説で読み終わると穏やかな気分になります。,すらすら読みやすく、目を閉じるとその光景が浮かびました。,最新作「ディスカスの飼い方」に続いて2作品目である。 「かつての恋愛を、男の立場から綴った都合の良い物語」というのが最初の感想。 カバーの裏の解説のように「人は、一度巡り会った人と二度と別れることはできない」というのは言い古された言葉ではあるが、それはおそらく深層心理への影響について言及したことであり、おそらく20年も経って都合良く、かつての恋人からコンタクトがあるなんてことはありえない(んじゃないかな、と思う)。 この都合の良さ、というのは、「ディスカス」にも脈々と受け継がれている。こちらは、非現実的ながら、それでも熱帯魚飼育(繁殖)にはまってしまった主人公の半ば妄想の世界だから、まだ良しとする。 透明感あふれる文体で、透明感あふれる世界が描き出されていることは確かであるが、それは現実味がない。本作の主題であり、題名にもなっている「パイロットフィッシュ」を導き出すため(だけ?)に、生活感のない男の一人暮らしの中に唐突に現れる90cm水槽とか、突然押しかけてくる歳の離れた彼女とか、必然性がないのに無理矢理登場させたかのような装置に気分が削がれた。 内容的、雰囲気とも、どこか「ノルウェイの森」を思い起こさせた。あの世界が好きな方にはオススメかも。 おすすめ度は★3つ、普通。,どんな出会いも、後になっては、なかったことには出来ないってこと・・・ そのことは必ず自分のなかでなにかのカタチで・・・
レビュー(438件)
良い本です
ディスカスの本を読んで、この本も読みました。読みやすいです。
叙情的な小説で読み終わると穏やかな気分になります。
すらすら読みやすく、目を閉じるとその光景が浮かびました。
「ディスカス」に続いて
最新作「ディスカスの飼い方」に続いて2作品目である。 「かつての恋愛を、男の立場から綴った都合の良い物語」というのが最初の感想。 カバーの裏の解説のように「人は、一度巡り会った人と二度と別れることはできない」というのは言い古された言葉ではあるが、それはおそらく深層心理への影響について言及したことであり、おそらく20年も経って都合良く、かつての恋人からコンタクトがあるなんてことはありえない(んじゃないかな、と思う)。 この都合の良さ、というのは、「ディスカス」にも脈々と受け継がれている。こちらは、非現実的ながら、それでも熱帯魚飼育(繁殖)にはまってしまった主人公の半ば妄想の世界だから、まだ良しとする。 透明感あふれる文体で、透明感あふれる世界が描き出されていることは確かであるが、それは現実味がない。本作の主題であり、題名にもなっている「パイロットフィッシュ」を導き出すため(だけ?)に、生活感のない男の一人暮らしの中に唐突に現れる90cm水槽とか、突然押しかけてくる歳の離れた彼女とか、必然性がないのに無理矢理登場させたかのような装置に気分が削がれた。 内容的、雰囲気とも、どこか「ノルウェイの森」を思い起こさせた。あの世界が好きな方にはオススメかも。 おすすめ度は★3つ、普通。
出会いも別れも
どんな出会いも、後になっては、なかったことには出来ないってこと・・・ そのことは必ず自分のなかでなにかのカタチで・・・