●一般的にもむずかしい年齢と言われる2,3歳児の心の世界。運動能力やコミュニケーション能力の向上とともに自信が生まれ,一方で多くの挫折を経験する。高揚と落胆,喜びと怒り,悲しみといった極端な感情が入り交じるなか,子どもは大人の助けを借りながらも,自分という感覚を発展させていく。本書では,この時期の子どもの複雑な心の様子が,さまざまな場面の事例を通して,生き生きと描き出されている。また,その子どもに関わる大人の心のあり方を通して,子どもの心が理解されていく。子どもについての一般論とは違い,実際に子どもに関わり理解しようとするときに大きく役立つであろう。
●目次
巻頭言
第 I 部 2歳の子どもを理解する
はじめに
第1章 自己の感覚
世界を探索すること/「僕,それ出来るよ」/「イヤ」という言葉/衝動的な2歳児/安定性と変化
第2章 自分の面倒をみることを学ぶ
食事/睡眠/トイレット・トレーニング/これらの問題をまとめてみると
第3章 さまざまな関係性
母親と父親/お母さんとお父さん/新しい赤ちゃん/きょうだいと友だち/保育所,チャイルドマインダー,ナニー
第4章 心と体の発達
遊び/絵本/おもちゃとゲーム/想像と空想/話すこととコミュニケーション/テレビとビデオ/子どもの世界の大人たち
第5章 親
子育ての大変さ/心配するべきとき/家庭の問題/幼児の中の困難/複雑な家族状況/おわりに
第 II 部 3歳の子どもを理解する
謝辞/はじめに/スキルが発達し,我が強くなる/家族の一員として/分離や変化への対応/この本からなにが得られるのか
第1章 子どもを理解する
子どもの気質と生活経験/遊ぶという仕事/空想の世界/自分が小さいと感じることと,感情を取り扱うこと/
自分の持てる力:僕は何でもできるんだ/想像上の友だち/空想と現実の違いを理解すること/ストレスに満ちた時間に対処すること
/空想上のものについての質問/良心と共感の発達/言葉と会話/好奇心と質問
第2章 家族生活
発展していく家族関係/エディプス・コンプレックス/母親の美しさと官能的な感情/嫉妬と睡眠障害との関連性
/一人で寝ること/小さな子どもがこのような感情に対処すること/両親:時には二人だけの時間を持つこと/
分離の後の再会/両親との同一化とアイデンティティの発達/両親が一緒にやっていくこと/親の役割/
両親を仲たがいさせること/しつけに関する考えの違い/競争心を脇に置き,親として協力すること/一人親
第3章 家族の中の新しい赤ん坊
家族全員にとっての変化
子どもをつくるのを決めること/中絶/妊娠のニュース/どうして赤ちゃんはできるの?
きょうだい:親しみと嫉妬
年下のきょうだい/子どもたちそれぞれのニードに応えてあげること/年上のきょうだい
よく話し合うこと:友人との会話
赤ちゃんがやって来ることに備える/早起き/親に怒りをぶつけること/気持ちの荷下ろしをすること/幼稚園に行くこと/子どもの性的な感情/誕生パーティー/赤ちゃんがやって来る
第4章 怒りに上手く対処する
怒りと攻撃性/過剰な攻撃性/かんしゃく/「だめ」と言うこと/賄賂と脅し/子どもを叩く
第5章 いろいろな課題を克服する
トイレの問題
リラックスと睡眠
童話の本とさまざまな体験に取り組むこと/寝る前の儀式
睡眠の困難
両親の間に割って入る/手放すこと/親の心配に気づくこと/寝る時間の恐怖/夢と悪夢/夜驚
食べ物の好みと摂食に関する心配事
食べ物の好みのうるさい子/ジャンクフード/行動との関連
性(ジェンダー)の違いと性的アイデンティティ
辛い時間/真実を告げる:いつ,どの程度告げるべきか
第6章 幼稚園に行く
バイバイを言う/お別れについて遊びで表現する/グループの中にいること/競争/想像的な遊び
/グループから一時的に離れる/親的な存在としての先生/先生の関心を求めるライバル/おわりに
読書案内/監訳者あとがき/索引
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