◆読み継がれる名著の完全新訳!
本書は一九六八年に出版され、最初の邦訳が一九六九年に刊行されました。以来、世界で、日本で読み継がれ、アイデンティティの概念は心理学の世界を超えて、私たちの人間理解に深く、大きな影響を与えてきました。その影響が今日でも大きいことは、他社からも近年、エリクソンの本の新訳が刊行されていることからもわかります。その背景には、エリクソンの概念が普及するにつれてあまりに単純化され、本来のエリクソンの思考の複雑さ、深さが失われてしまっていることがあります。しかし原典を読むと、エリクソンが古びるどころか、今日の私たちにとっても本質的な問いを提示しており、正に人間探求の古典の一冊であることがよくわかります。今回の新訳は、原著に忠実に一から訳し直し、かつ読みやすい日本語になっています。初めてエリクソンを読む人にも、改めて読み直したい人にも、まず手にとっていただきたい、エリクソンの思想の神髄に触れる一冊です。
アイデンティティ 目次
まえがき
第1章 プロローグ
第2章 観察の基礎
1 一臨床家のノート
1 集団アイデンティティと自我アイデンティティ
2 自我の病理学と歴史的変化
3 自我理論と社会的プロセス
2 全体主義について
第3章 ライフサイクルーー アイデンティティのエピジェネシス
1 乳児期と承認の相互性
2 幼児期初期と自分自身であろうとする意志
3 幼児期と役割への期待
4 学齢期と仕事との同一化
5 青年期
6 アイデンティティの彼方
第4章 個人史と症例史に見られるアイデンティティ混乱
1 伝記的研究1 -- 創造的な混乱
1 G・B・S(七〇歳)が語る若きショウ(二〇歳)
2 ウィリアム・ジェームズ、自分自身の鑑定医
2 発生論的な研究ーー 同一化とアイデンティティ
3 病理誌的な研究ーー 深刻なアイデンティティ混乱の臨床像
4 社会的ーー 個人の混乱から社会秩序へ
5 伝記的な研究2 混乱の再来ーー 夜ごとの精神病理学
1 フロイトの「イルマの夢」
2 ウィリアム・ジェームズの最後の夢
第5章 理論的間奏
1 自我と環境
2 混乱、転移、そして抵抗
3 私、私の自己、そして私の自我
4 自我の共有性
5 理論とイデオロギー
第6章 現代の問題に向けてーー 青年期
第7章 女性と内的空間
第8章 民族、そしてより広いアイデンティティ
注
訳者あとがき
本書が依拠した原著論文
索引
装幀=新曜社デザイン室
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