本書は、ともに第2次大戦の敗戦国でありながら戦後に主要な貿易立国となった日本とドイツの間にみられるこのような発展の共通性と相違性に着目し、それらを規定した根本的要因を企業経営のあり方に求め、第2次大戦後の発展過程の帰結ともいうべき現在の状況とそれを規定した諸要因に関する独自の知見を提示するものとなっている。第2次大戦後における企業と経営の歴史的発展過程を両国に共通にみられるアメリカとの関係、欧州とアジアという地域的条件の相違点から両国企業を比較分析し、EUを基軸とするグローバル・ヨーロッパ化というドイツ企業の方向性を明らかにし、EUに匹敵するような地域経済統合がアジアにおいては今なお実現していないなかでグローバル・アジア化を目指す日本企業の方向性について解明する点に、当該分野における本書の学術的な特色・独創性と意義がある。
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