近代大阪の発展は朝鮮からの労働者ぬきには考えられない。暮しの中で朝鮮人と出会った日本人の外国人認識はどのように形成されてきたのだろうかーー大阪における朝鮮人の歴史を辿りながら、より普遍的、より世界的な問いへの接近を試みた「地域からの世界史」。その後の研究に大きな影響を与えた著作の待望の文庫化。
序 章 大阪・今里からの世界史
第一節 上方落語「代書」をよむ
第二節 今里の現在
第三節 くらしの中のオリエンタリズム
補 節 「代書」補注
第1章 春玉たちの大阪ーー在阪朝鮮人史の特徴
第一節 春玉たちの大阪
第二節 在阪朝鮮人史の諸特徴(一)--人口構成・出身地・職業構成
第三節 在阪朝鮮人史の諸特徴(二)--居住地域
第四節 春玉たちのその後
第2章 済州島から猪飼野へーー在阪朝鮮人の渡航過程
第一節 ひとつの歌から
第二節 渡航者の増大
第三節 渡航の諸要因
第四節 猪飼野の中の済州島
第3章 「君が代丸」考ーー大阪済州島航路の開設と展開
第一節 「君が代丸」と尼崎汽船部
第二節 航路をめぐる闘い
第三節 「君が代丸」の歴史的意義
第4章 ゴム工場の街・猪飼野ーー在阪朝鮮人の定着過程
第一節 問題の提起
第二節 大阪ゴム工業の発展と東成区
第三節 朝鮮人ゴム工業労働者の登場
第四節 居住形態の変容と政治社会運動の組織化
第五節 おわりに
第5章 「同化」のまなざしーー朝鮮人をめぐる近代都市大阪の言説空間
第一節 「排除」のまなざし/「解放」のまなざし/「同化」のまなざし
第二節 ジャーナリストの眼ーー井上吉次郎の場合
第三節 社会調査者の眼ーー酒井利男の場合
第四節 おわりに
終章 大阪・今里からの世界史再論ーーむすびにかえて
第一節 今里の原風景
第二節 地域のなかの世界史/地域からの世界史
第三節 社会意識としての「君が代丸」
第四節 「越境のなかの近代日本」における一九三〇年代大阪の位置
補章 あらためて大阪の場から考えるーー在日朝鮮人の歴史的形成・展開と日本の社会意識
第一節 アジアの中の大阪/大阪の中の朝鮮ーー新聞紙面を手がかりに
第二節 越境をめぐるせめぎあいーードキュメンタリー・フィルムを手がかりに
第三節 「猪飼野」との向き合いかたーー写真集・写真展を手がかりに
第四節 おわりに
あとがき
岩波現代文庫版あとがき
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