「昔むかし、あるところに…」親しみ深い口上ではじまる伝話には、封印されたもうひとつの顔があった。その原初の姿は、禍々しい人間の本性ー色欲、嫉妬、猜疑、強欲、殺意といった心の闇で満たされていたのだ。人生の教訓や因果応報を伝える一方、狂気に満ちた人間の姿をあるがままに目を疑うような表現で描写していたのだ。だが、時代を経て語られていくうちに残虐性や好色性が封印されてしまい、なじみやすい姿に変えられたのだ。子どものころに語り聞かされた伝話は本当はどんな物語だったのだろうか?本書では、むかし話や民話を検証し、秘めらめた“原典”を明らかにする。
レビュー(0件)