経世済民の学といわれる経済学の、「市場経済の原理は競争である」という教義を人々は信じ込んでいるが、当の市場経済は勤労者と学生に対し、その暮らし向きを案じて、次の2つのことを問い質している。
あなたは貨幣とは何か、その正体を知っていますか。
あなたは貨幣を使って営まれる市場経済の仕組みを知っていますか。
この2つの問いに対する答えは競争原理からは出てこないのである。経済学が描いて見せる市場経済像は、歴史的に発展してくる市場経済のデフォルメだからである。
デフォルメは、「変形する、歪める」という意味のフランス語である。その名詞の反対を意味する語がinformationであり、市場経済の原理は競争に非ずと暗にinformationしているのが、市場経済を陰で支えている複式簿記である。
経済学より先に生まれ、経済学より実務的でありながら、営利活動の手段として使役され続ける「無口」な市場経済と複式簿記の語り部として作成したのが本書である。第1〜4章が市場経済論で、第5〜9章が複式簿記論である。第10章では株式会社の未来像を提示した。
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