その路地にさしかかったとたん、ひどく嫌な気分がした。
どういうこともない書店街の一郭。一見見落としそうな路地の突き当りに緑の扉、ハイツ・グリーンホームはあった。
父親の再婚を機に、高校生の荒川浩志はひとり暮らしをすることになった。ハイツ・グリーンホーム、九号室──それは、近隣でも有名な幽霊アパートだった。引っ越した当日、からっぽのはずの郵便受けには、小さい丸い白いものがひとつ、入っていた。プラプラした手触りの、人形の首だったーー。「出ていったほうがいいよ」不愉快な隣人の言葉の真意は? 幽霊を信じない浩志ですら感じる「ひどく嫌な気分」の正体とは? 小野不由美の家ホラーの原点とも言える本格ホラー&ミステリー小説。
目次
第一章 ハイツ・グリーンホーム
第二章 予感
第三章 足音
第四章 蘇生
第五章 まつり
第六章 緑の扉
第七章 死者には死者の夢
第八章 緑の我が家
解説 杉江松恋
レビュー(88件)
心が痛みました
ホラーの長編は、尾ひれ端ひれが長いものが多く、簡潔に読める短編のほうが、私は好きです。でも、小野不由美さんの長編は、2冊買って2冊とも久々にイッキ読みしてしまいました。いじめの問題は、哀しみと憤りで嫌な後味がしますが、少し救いがあったから最後まで読んで、感慨深いものがあって、読んで良かったです。
サスペンスミステリーだが、なんだか涙を流してしまった。買ってよかった。