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傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だったーー。 2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか…… 犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!
レビュー(660件)
とても良い本
馳星周作品結構好きですが、これはその中でも1.2を争うかも。かなり良かったです。一気に読み終わりました。さすが!、
深い命への愛情あふれる、素晴らしい書籍でした。感動しました。
飼い主からはぐれたと思われるシェパードの雑種犬が様々な人々と交流しながら目的の場所へ向かう物語を短編形式で綴った作品。犬と交流する人々は皆何かしら悲しい運命を背負っており、そんな人たちが犬との交流によりひと時の心の救いを得られる。そして訪れる悲しい別れを繰り返しながら犬は南へ南へと向かう。 直木賞受賞作ということで購入しました。 簡潔な表現が運命に翻弄される人たちの人生をよりはっきりと際立たせていたと思います。 ハッピーエンドとは言えませんが、一匹の犬に心を救われた人々の姿が淡々とした文章で表現され、 お涙頂戴ものではないのに、涙を流さずにはいられませんでした。 猫派ですが、犬の物語もいいなぁと思えました。
ずっと読みたいと言っていた母へのプレゼントにしました。 とても喜んでくれました。 今読んでくれているようなのですが、面白いそうです(#^.^#)
「少年と犬」初めて馳さんの作品を読ませていただきました。 1つずつの物語が、最後に繋がるお話、最後話では、感動して 涙がとまりませんでした。 別の馳さんの本も読みたくなりました。