本書の目標は、19世紀ドイツの大哲学者・ヘーゲルの哲学を通じて、読者の皆さんが「考え抜く」ことの重要性を実感し、その経験値を積むことにある。「考え抜く力」は哲学の基本スキルである一方、これからのビジネスに欠かせない実践的スキルでもある。そして、考え抜くために必要なのは「結論が出ない苦しみに辛抱強く耐える」能力だ。本書では「生き方」「学問」「存在」「本質」「認識」「歴史」という六つのテーマに則してヘーゲルがいかにして「考え抜く」ことを成し遂げたかを見る。この思考を通じ、真に新たな価値を創造できる、人生100年時代の社会人力を身につけることができるはずである(「はじめに」より一部編集)。新進気鋭のヘーゲル研究者が21世紀のビジネスパーソンに贈る、実践的哲学新書。
はじめに 哲学を学んで何の役に立つのか?
第一章 「生き方」を考え抜く
第二章 「学問」を考え抜く
第三章 「存在」を考え抜く
第四章 「本質」を考え抜く
第五章 「認識」を考え抜く
第六章 「歴史」を考え抜く
おわりに 考え抜く人になるために
レビュー(5件)
生き方(倫理)、学問(哲学と科学)、存在(普遍と個物)、本質(本質と仮象)、認識(カント認識論批判)、歴史という6つのテーマに即してヘーゲルの見解を解説するとともに、そこから得られた発想がビジネスパーソン向けの「考え抜く力」として活用可能であることを説く。ヘーゲル弁証法の真髄は「どっちつかず」の姿勢にあるという発想は非常に面白いが、結論が出ないどっちつかずの状態に耐えて悩み続けることこそが考え抜く力なのだという最終的主張には、著者自身も承知の上だとしても、モヤつきが残る。一般向けヘーゲル入門としては好適。