絶海の孤島に暮らす者は唯一神の存在を知ることが課されるのか。イスラム教徒たちの人間関係はどのように形成、維持されるのか。イスラム教徒たちの思考回路とそれに基づく社会活動を、少数派勢力イバード派の著作の読解を通じて詳細に記述する,画期的研究書。
序 章 イバード派の特質を読み解くために
第1章 イバード派の形成と展開
1 イスラーム共同体の政治的分裂
2 イバード派の形成
3 バスラからオマーンへ
4 イバード派の自己理解
おわりにーー正直の徒に正統性を与えて
第2章 ワラーヤとバラーアの体系
1 言語的意味、イスラーム法上の意味
2 初期イスラーム時代におけるワラーヤとバラーアの実践
3 2/8世紀のイバード派における整備
4 成立要件の確定
5 体系の精緻化
おわりにーー人びとの帰属を判断する
第3章 世界観
1 神と人間
2 人間の宗教的分類とその方法
3 信仰
4 不信仰
おわりにーー神に近しく護られて
第4章 加入とコミットメント
1 イスラーム共同体への加入
2 改宗活動とイバード派共同体への加入
3 共同体へのコミットメント
4 帰属対象の拡大と信仰の再生産
おわりにーー紐帯を確認、維持し強化する
第5章 逸脱への対応
1 逸脱行為の探究
2 大罪
3 罪に関するいくつかの問題
4 悔悟
おわりにーー「聖者たちの共同体」から離れて
第6章 統治体制
1 圏域
2 共同体内の階層構造
3 イマーム論
4 イマームと臣民
おわりにーー統治の正当性と安定性を求める
終 章 宗教社会集団としてのイバード派の特質
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