知られざる戦前日本のトロツキー
「トロツキーの思想はさまざまな形で日本の知識人に影響を与えたし、あるいはトロツキーの動向は途絶えることなく日本の知識人やジャーナリストの関心の対象であった。
とくに彼の文学論や日常生活論は、1920年代後半に一種のブームにさえなったし1924〜27年の党内論争に対しては左翼の狭いサークルを越えた関心を日本の知識人の間に掻き立てた。
トロツキーが流刑や国外追放の憂き目に遭ってからも、彼の著作や論文は、太平洋戦争が勃発する直前まで、日本で翻訳され続け、議論され続けた。
とくに、ソ連のモスクワ裁判や赤軍粛清事件で全世界が揺れた1936〜38年には、トロツキーは日本の雑誌で最もその名前が言及される人物にさえなった。左右問わず多くの知識人たちが、モスクワ裁判とその真相をめぐって、トロツキーの陰謀の有無、スターリンとの長年の相克、スターリンの企図について、文字通り口角泡を飛ばして激しく論じ合った。」以上、本文より
第1章 戦前日本におけるトロツキーとマルクス主義
第2章 トロツキーの日本論ー日露戦争から「田中メモ」まで
第3章 トロツキーと会った日本人たちーニューヨーク時代から日本亡命計画まで
第4章 日本人はモスクワ裁判をどう見たか
第5章 『現代新聞批判』における延島英一のモスクワ裁判批判
第6章 戦前日本におけるマルクス主義翻訳文献の歴史ーその発展と衰退
付録1>>>戦前日本におけるトロツキー文献目録
付録2>>>トロツキー「『日常生活の諸問題』日本語版序文」
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