生物の科学 遺伝 2022年5月発行号(Vol.76-No.3)
特集:コケ植物が語る過去・現在・未来
非常に小さく,他の植物ほど人間に利用される機会も少ないため,見過ごされがちなコケ植物。
テラリウムや苔玉などの流行で近年注目されているが,実はコケ植物は,約5億年の環境変動の歴史を乗り越えて原始の植物の性質を今も留めながら繁栄を続けている,さらに生態系の中でも重要な位置を占めている,指標生物としても注目すべき存在である。
本特集ではコケ植物の進化や共生関係等の最新研究を紹介しながら,その存在と地球環境との関わりについて概観する。
巻頭グラビア8頁は「日本の貴重なコケの森」,世界有数のコケ大国・日本の中でも特に貴重で美しいコケの名所を,日本蘚苔類学会が紹介する。
◎巻頭グラビア
日本の貴重なコケの森(日本蘚苔類学会)
◎特集:コケ植物が語る過去・現在・未来
総論 コケ植物から見た地球環境の過去・現在・未来(嶋村 正樹(広島大学))
1.ツノゴケ -ゲノム解読と形質転換技術が拓く植物進化研究の新機軸(西山 智明(金沢大学)/榊原 恵子(立教大学)/嶋村 正樹(広島大学))
2.コケ植物と地球環境問題 -小さなコケの声に耳を傾けると…(大石 善隆(福井県立大学))
3.コケと動物の相互作用 -コケの生態系機能への新たな視点(今田 弓女(愛媛大学))
4.琥珀に閉じ込められた太古のコケ -恐竜と共に生きていた白亜紀のコケとは(片桐 知之(高知大学))
5.コケ植物と放射線 -福島第一原子力発電所事故からコケ植物の特性を考える(小栗 恵美子(東京学芸大学)/嶋村 正樹(広島大学))
6.コケ植物の性決定システムと生存戦略(大和 勝幸(近畿大学)/河内 孝之(京都大学))
◎連載
「高校新教科 理数」の学び方
[第3回]生物実験と統計教育 -探究で育つ学びの姿勢(石井 裕基/舩津 貴成(香川県立観音寺第一高等学校))
高校生物・ワクワク宣言!!
プラナリアの走性と学習について,ある生徒の自力自走の研究(木山 和幸(新潟県立長岡高等学校))
実験観察の勘どころ
継続とつながりが新たな問いを生む -伊豆大島のスコリア原の自然が教えてくれたこと(市石 博(国分寺高等学校))
◎寄稿
「メンデルの軌跡を訪ねる旅」から(13) -メンデルはロンドン万博に参加した!
(長田 敏行(東京大学名誉教授,法政大学名誉教授))
◎フォトコンテスト
生物科学学会連合「第三回 生きものの “ つぶやき ”フォトコンテスト」-審査発表(2)
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