ゼロ金利、量的緩和、インフレ目標、政府との共同声明、異次元緩和ーー。異例の金融政策の背後で、いかなる議論や駆け引きが行われていたのか。日銀法改正から菅政権発足まで。日銀に密かに眠るオーラルヒストリーを基に、悲願の「独立性」を追い求めて後退戦を余儀なくされてきた新日銀歴代総裁の苦闘の歴史を白日の下に晒す。
まえがき
プロローグ 「独立」への旅の始まり
第1章 「松下時代」 日銀法改正と金融危機 1996〜19989
I お銚子をさっと引き揚げるように/最大限の独立性付与を/「ピュア・セントラルバンク」の影/冷徹なるリアリズムと為替介入権/日本国憲法の高き壁/副総裁への上訴/「独立性」の天王山/自民党の不満、放たれた矢
II 組織改革と迫りくる危機/デフォルトは「パンドラの箱」/拓銀破綻とW杯サッカーの夜/山一特融は是か非か/一一・二六事件の恐怖
第2章 「速水時代」 独立性という陥穽 1998〜2003
I 瓦解した「権威」/組織の沈滞、理事の自殺/幻の日米会談と政策発動/苦肉のゼロ金利政策/返り討ちと「青春のペーパー」/「日銀理論」への異論
II ゼロ金利解除と日銀批判のうねり/シャンパンは独立の味/量的緩和への「詰め将棋」/速水辞任騒動の真相/不良債権処理に「禁じ手」を
第3章 「福井時代」 反転攻勢、量の膨張と収縮 2003〜2008
I 宮澤の「口頭試問」/「プリンス」のスタートダッシュ/りそな救済をジャンプ台に/大介入との奇妙なハーモニー
II 日本銀行を「バンク」に/「大いなる安定」と隠密行動/量的緩和解除への険しい道/痛恨の落とし穴
第4章 「白川時代」 危機の再来、政治との確執 2008〜2013
I 「総裁不在」の異常事態/リーマン・ショック襲来す/それは中央銀行のやるべきことか/「新PKO」は神棚へ
II 政治との確執、デフレとの格闘/大震災と「リフレ派」の決起/時代の空気と日銀法/財務省の「三点セット」/安倍の復活、白川の窮境/四つの条件、秘めたる決意
第5章 「黒田時代」 ゴール未達、そして漂流 2013〜
I 共同声明、土壇場の攻防/首相の選択は「三方一両損」/「黒田バズーカ」の出現/消費税とバズーカII
II 「秘中の策」へ密かな準備/マイナス金利の「発煙弾」/金融界の反発、初めての不協和音/「イールドカーブ・コントロール」という曲芸/トランプ登場と「ポスト黒田」/バランスシート膨張のジレンマ
エピローグ コロナ・ショック、そして首相交代
注
あとがき
主要参考文献
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