近年の将棋AIは振り飛車をまったく評価しません。それはなぜなのか。「現代将棋を読み解く7つの理論」の著者、あらきっぺ氏が論理的かつ明快に解説します。
しかし、もう振り飛車をやめるべきなのかといえばそうではありません。
振り飛車は、人間の認知能力にとってはアドバンテージが多く、むしろ有利に立ち回れることもあるのです。
AI時代でも、勝負は人間のもの。振り飛車を指す人も指される人も、必携の一冊です。
まえがき
序章 対抗形のルール
第1章 初速の違い
第2章 急戦の脅威
第3章 穴熊の価値
第4章 角交換の是非
第5章 飛・角・桂の機動力
第6章 桂・香の安全度
第7章 位置エネルギー
第8章 後出しと多様化
第9章 両立と相対化
終章 振り飛車の未来
レビュー(4件)
対抗形を言葉で
あらきっぺさんの4作目です。まずタイトルが素晴らしい。装丁も同様にいわゆる将棋本らしくないけれど、中身は王道中の王道、将棋についての根本に切り込んでいる一冊です。それは著者の前3作も同様です。本作は、振り飛車が居飛車に対して、どうして不利かを系統立て分かりやすく語ってくれています。居飛車党が振り飛車への対策指針としても読めますし、振り飛車党がいかに対等な勝負に持ち込むかの指南書としても読めます。定跡書や戦略書の面もあると思いますが、私はどちらかと言うと、将棋はどういうゲームなのかを言葉で追求している作品だと思っています。あらきっぺさん独自の切り口と用語は、従来の将棋本にはないものですが、そのおかげで級位者も有段者も楽しめると思います。