分子から人間、ヌーの群れから生態系までーーすべては調節されている。
「生体を維持するべく体内で様々な種類の分子や細胞の数を調節する分子レベルのルールが存在するのと同様に、一定の区域における動植物の種や個体数を調節するルールがある」
本書で著者は、生命の《恒常性(ホメオスタシス)》という概念を提唱したウォルター・キャノンや、《食物連鎖》の仕組みを示して《生態学(エコロジー)》の礎を築いたチャールズ・エルトン、分子レベルの調節の原理を解き明かしたジャック・モノーほか、生物学・医学における数々の偉大な発見に至った過程を活写。生体内における分子レベルの《調節》と生態系レベルで動物の個体数が《調節》される様相とのあいだに見出した共通の法則と、蝕まれた生態系の回復に成功した実例を、卓越したストーリーテラーの才を発揮していきいきと綴っている。
E. O. ウィルソン、ニール・シュービン、シッダールタ・ムカジーら絶賛!
【目次】
イントロダクション 奇跡と驚異
ルールと調節/セレンゲティ・ルール/生存するためのルール
第1部 すべては調節されている
第1章 からだの知恵
臆病ネコ/神経質な胃/科学者にして軍人/からだの知恵
第2章 自然の経済
北極圏への旅/北極の食物連鎖/レミングとオオヤマネコ/生命とは食物である
第2部 生命の論理
第3章 調節の一般的なルール
前進と中断/細菌は何を好んで食べているのか?/酵素調節のルールを追い求めて/リプレッサの発見/二重否定論理の発見/フィードバック/生命の第二の秘密/大腸菌とゾウ
第4章 脂肪、フィードバック、そして奇跡の菌類
フィードバックの発見/コレステロールの「ペニシリン」?/菌類から薬品へ
第5章 踏み込まれたままのアクセルと故障したブレーキ
染色体と紙の人形/がん遺伝子の発見/調節のルールを破る/腫瘍抑制因子/論理的なセラピーと合理的な薬/汝の敵を知れ、そして殺せ
第3部 セレンゲティ・ルール
第6章 動物の階級社会
大地はなぜ緑なのか?/蹴っ飛ばして観察する/食物網におけるカスケード効果と二重否定論理/すべての生物が平等に創られたわけではない
第7章 セレンゲティ・ロジック
なぜスイギュウは増えたのか?/13万トンのヌー/サイズがものを言う/野生動物のフィードバック調節/移動ーー食べられることなく少しでも多く食べる方法/ルールの相違と論理の同一性
第8章 別種のがん
疫病/ヒヒの疫病/枯渇/ミッシングリンク/多すぎ、少なすぎ、やりすぎ
第9章 6000万匹のウォールアイの投入と10年後
栄養カスケードを操作する/稚魚、幼魚、漁師/オオカミとヤナギ/必要性と十分性
第10章 再生
失楽園/実践的なプロジェクトを探して/底辺からの再生/巨大なサラダボウル/人々の生活の発展/ゴンゴローザ万歳!
あとがき 生きるために従うべきルール
社会的ユートピア/学ぶべき教訓
謝辞
訳者あとがき
参考文献
原註
索引
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