本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。このままでは城が落ちる。兵や民草の心に巣食う疑念を晴らすため、村重は土牢に捕らえた知将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めるがーー。 事件の裏には何が潜むのか。乱世を生きる果てに救いはあるか。城という巨大な密室で起きた四つの事件に対峙する、村重と官兵衛、二人の探偵の壮絶な推理戦が歴史を動かす。 序章 因 第一章 雪夜灯籠 第二章 花影手柄 第三章 遠雷念仏 第四章 落日孤影 終章 果 解説 マライ・メントライン
レビュー(134件)
今までの小市民シリーズとは全く違った面白さで、みんなに薦めたいです。時代ものと探偵ものといろいろミックスされた物語です。
歴史小説はなんとなく敬遠していましたが、これはミステリー色が強く入りやすかったです。
同一作家著作を読んで唸ったのは久しぶり。
荒木村重のセリフが渋い。 黒田官兵衛の超人的頭脳が冴え渡る。レクター博士を思い出してしまった
昔の言葉で文章も長く読むのがちょっと大変ですが、面白かったです。 短編かと思いきや全てに関わる感じで意外性にとんだ形でまとまり、読み応えありました。 荒木村重は特に好きな武将ではないけれど、官兵衛の味よく良い作品だと思いました。