テロリストと呼ばれしわれは秋ならば桔梗コスモス吾亦紅が好き
元日本赤軍リーダー・重信房子が21年に及ぶ刑期を終え、この5月に出獄する。本書は獄中で書き溜めてきた短歌をまとめた第二歌集。著者は革命の日々を、連合赤軍事件で粛清された友・遠山美枝子を、現在の世界の悲惨を、二十数年にわたり詠み続けて来た。本書の歌は、著者の踠きと葛藤の発露であると同時に、歴史の証言でもある。
「海外で暗躍すること四半世紀を超え、国内での潜伏と獄中の日々、重信は一体、この斬新で清潔な文体をどこで獲得してきたのだ。……戦い死んでいった同志への哀悼に、柔らかな心の襞を涙で濡らし続けてきたのだろう。」(福島泰樹「跋」より)
アネモネの真紅に染まる草原に笑い声高く五月の戦士ら
空港を降り立ち夜空見上げればオリオン星座激しく瞬く
雪中に倒れし友の命日に静かに小さな白き鶴折る
津波燃え人家逆巻き雪しきり煉獄の闇 生き延びし朝
パレスチナの民と重なるウクライナの母と子供の哀しい眼に遭う
序章 2019.5,2022.5
五月の戦士たちーリッダ闘争五十年
ナクバの日ーナクバとは「大惨事の日」
1 2022.1~2022.2
暁の星
ウクライナ
2 2021.1~2021.12
一月尽
早春賦
老囚
星一つ
ガザ
砂漠
空襲
百日紅
財
秋
胸底
喉仏
3 2020.1~2020.12
逆夢
雪山
棺
鉄格子
友
黄昏
行進
蟬時雨
一炊の夢
星座
獄二十年
コロナ
4 2019.7~2019.12
反逆の子
埋め火
彼岸花
逆光
或る秋
黒い字
オリオン
終章 2019.3,2022.3
三月哀歌
跋 戦士たちはわが胸に棲み 福島泰樹
あとがき 重信房子
栞(挟み込み)
足立正生 革命の言霊を詠む!
田中綾 愛のゆくたて
四方田犬彦 死と再生の歌
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