荷風たちの東京大空襲 作家が目撃した昭和二十年三月十日
■八十年前のあの夜、東京で何が起こっていたのか? 圧巻のドキュメント
保阪正康氏推薦!
「戦争を体験し、思索し、表現する文士たちの言葉は第一級の証言である」
■荷風が、谷崎が、向田邦子が目撃した
「戦争」の姿が生々しく蘇る
■一夜にして十万五四〇〇人が失われた惨劇!
僕は巨大なB29が目を圧して迫まってくるのを見た。銀色の機体は、地上の火焔を受けて、酔っぱらいの巨人の顔のように、まっ赤に染まっていた。
──江戸川乱歩
■彼らの著述によって東京大空襲の惨劇を再構成するこの労作から、
私たちは戦争の非人間性を改めて知らされることになる──保阪正康(歴史家)
レビュー(3件)
ルメイに「親授」しなかった昭和天皇
1945年3月10日の他にも連続的に東京の各所が主に焼夷弾による空襲によって焼け野原にされた状況が当時の文筆家の日記等によって、これでもかというほどに明らかにされる。父の叔父、叔母、従弟等の多くも犠牲になり、位牌と「過去帳」に残っている。空襲作戦を指揮命令したルメイは1964年、勲一等旭日大綬章が授与されたとのこと。勲一等の授与は天皇が「親授」するのが通例だが昭和天皇はこれをおこなわなかったというのを初めて知った。時の首相佐藤栄作の対米従属の卑屈な姿勢が際立つ。