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「ニッポンの奥宮」を探す旅に出た。 古い由緒を伝える神社のなかには、しばしば「奥宮(おくのみや)」と呼ばれる場所がある。 そこは奥ノ院と呼ばれたり、元宮、山宮といった名称で呼ばれることもある。 また、神社=カミ祀りの場そのものが「辺境の奥の宮」な場合もある。 そこはいわば、遠い祖先の記憶が沁みついた「はじまりの場所」である。 ときに、地の果てを思わせるサイハテの神社であったり、 ときに、古の時空に迷い込んだような異空間であったり、 この世ならざる景観、あの世そのものを彷彿させる風情だったりもする。 このザワザワとする感じは何だろう。 何百年、何千年前の人と同じ場所に立っているという不思議な感覚。 そんな彼らと同じ思いを共有できているという感慨。 「ニッポンの奥宮」に往って還ってくること。 そんな不要不急の旅でしか得られないものが確かにある。 そんな神域に行かなければ埋められないピースが、われわれの心の中にはあるのだ。 本田 不二雄 第一章 1南伊豆の隠れ里に怪樹の森があった(白鳥神社) 2朱色のトンネルをくぐり稲荷マンダラの迷宮へ(稲荷山) 3みちのく津軽に稲荷の極楽浄土があった(高山稲荷) 4日本最古の聖なる山へ(御岩神社) 5熊野の奥宮にて魂の根源と出会う(玉置神社) 6怪樹そそり立つ奇蹟の島へ(大瀬神社) 7生けるお犬さま信仰が息づく山(三峯神社) 8山上のお社の奥に「奥宮」と「奥の奥宮」があった(武蔵御嶽神社) 9イザナミ命が眠る比婆山「妣の国」へ(比婆山熊野神社) 10仙境の奥の院をめぐる伝説(軍刀利神社) 第二章 1鬼神をあがめる岩木山裏信仰(青森・岩木山東北麓) 2富士の母胎に回帰し、水のちからで再生する(山梨 静岡・富士山麓) 3紀州熊野でよみがえりを実感する(和歌山・熊野三山) 4ヤマタノオロチの正体を探る旅へ(島根・出雲の古社) 5社殿をもたない神社と驚異の御神木(隠岐・島後) 6神秘と謎が交錯する洞窟神社のミステリー(大分・奥豊後) 7神話の時空をめぐる原点回帰と蘇生復活の旅(熊本・南阿蘇) 8隠れ里に残るファンタジックな神域へ(熊本・人吉球磨)
レビュー(12件)
しっかりした内容ですが、自分が見たい写真が少なかった。
良い商品です。 ありがとうございました。。