動乱の江戸末期、来たるべき近代国家への苦悩と希望を描いた巨編!!
▼第1話/三百坂▼第2話/おせき殿▼第3話/鬼鉄(おにてつ)▼第4話/曾根崎新地▼第5話/腑分け▼第6話/適塾の人々▼第7話/星鶴(ほしづる)、豆鶴(まめづる)▼第8話/夜の客人▼第9話/嵐の前 ●登場人物/伊武谷万次郎(松平藩の家中。剣の才能に恵まれている)、手塚良庵(医師・手塚良仙の息子。女好きだが、腕は確か)、手塚良仙(良庵の父で、蘭方医。江戸に種痘所を設立する運動をしている) ●あらすじ/江戸小石川伝通院裏に、三百坂と呼ばれる路地があった。毎朝6ツ半になると、江戸城の太鼓を合図に、大名、旗本たちの登城が始まった。そしてその中に出仕してまだ4か月の武士、伊武谷万次郎がいた。万次郎は登城の際の、三百坂の早駆けを眺めている一人の若者のことが気になっていた。ある日、万次郎が尊敬している千葉周作先生が死に、痛夜の場で諍いになった万次郎と清河八郎は、河原で真剣勝負をする。この勝負で怪我をした万次郎の治療にやってきた医者・手塚良庵は、いつも登城の様子を眺めていたあの若者だった(第1話)。▼行き付けのそば屋で食事をしていた良庵は、そこで万次郎と偶然再会する。「この近くに用がある」と、同じ道を歩いていく良庵と万次郎。お互い、善福寺の住職の娘、おせきに会いに来ていたのだった。二人はおせきに自分の想いを伝えるが、おせきの返事は「住職になってくれる人と結婚をする」というものだった。その帰り道、良庵は、何者かに襲われてしまう(第2話)。 ●本巻の特徴/第1巻では、後に親友となっていく良庵と万次郎の出会いと、それぞれが己の進む道を本格的に歩み始めることを中心に物語が進んでいく。それと同時に、安政時代ではまだ西洋医学が認知されておらず、そのために人の命が失われていたことにも焦点を当てて描かれている。 ●その他の登場キャラクター/万次郎の父・伊武谷千三郎(第1、3話)、万次郎の母(第1、3話)、おせき(第2、8話)、多紀誠斉(第1、8話)、山岡鉄太郎(第3、話)、原田(第4、5話)、緒方洪庵(第4話)、福沢愉吉(第5、6話)、丑久保陶兵衛(第7、8話)
レビュー(22件)
歴史物ととるか伝記物ととるかw
当著書、「陽だまりの樹」については、学生時代からタイトルだけは知っており、装丁などから幕末・明治維新を舞台にした話ではないか位しか想像できなかったのであるが、三十路を越えやっと読むことが出来た次第である。 所有がこんなに遅くなったのは、古書店での相場が高く、矢張り流通も手塚治虫氏の他の長編代表作である「火の鳥」「ブラックジャック」等に比べると格段に見かける機会もなかったの理由の一つである。(尚、現在でも古書店での相場は高めw) 現在、まだ2巻目位にさしかかったところであるが、内容としては幕末から明治維新にかけての一介の医者・侍の生涯にフォーカスを当てたものであり、伊藤博文や緒方洪庵等の史実上の有名人も登場する。 驚いたことに、手塚治虫氏の作品は流石にコンプは出来ていないモノの、かなり持っているのであるが、この著で氏の曾祖父も医者であった事を初めて知った。 また、その手塚良仙が医学史でも登場するような人物で有り、牛痘接種の分野についての貢献が多大にあったことは言葉も出ないほどであった。 まあ、あまりの内容についての言及はネタバレにになるので、その代わりにフォーマットの話を些か付け足しておくことにするが、この文庫本の後に新装丁のものが存在している。 ただ、表紙は異なり、全巻揃えると割高になる割には何故かそのシリーズも文庫版のようであるので個人的にはこちらのセレクトした次第。(単行本だと確かに迷ったことになった気はするがw) 尚、この文庫版は初版は1995年であるが、全巻手元に届いたのは2012年の重版であったので、紙質や表紙などはかなり綺麗だった。 その辺りで購入を迷われておられる方は、安心して購入しても差し支えないと思う。
友人に勧められて大人買いしましたが、一気に読んでしまいました。幕末の庶民の生活や将来に対する思いがリアルに描かれていて楽しく読めました。徳川慶喜がなさけない。