教育システムにおける住民参加の効果を検証する
1970年代に西欧諸国から始まった教育の地方分権化は、2000年前後には開発途上の多くの国々でも拡大した。本書では、分権化に批判的な見方も強まる状況の下、自律的学校経営(SBM)を肯定的に取り上げその効果を立証することでSBMの必要性を示す。調査対象としたカンボジアでは、大量虐殺の歴史を経て崩壊した教育システムからの立て直しの過程で、地域住民の学校参加を可能とする「学校支援委員会」が2000年度以降に導入された。学校支援委員会が学校運営に関与することによりどのような効果をもたらすのか、その実態とともに詳細に考察する。
はじめに
図表一覧/略語一覧
序 論
1 本書の目的と方法
2 本書の特徴と意義
第1章 教育の地方分権化
1 教育開発における世界的潮流
2 教育の分権化をめぐる議論
3 自律的学校経営(SBM)をめぐる議論
第2章 カンボジアの教育と分権化
1 カンボジアの教育の変遷
2 カンボジアの教育行政
3 カンボジアの教育における住民参加
4 地域住民の参加が学校や児童にもたらす影響
第3章 学校運営における住民参加の調査
1 調査の問いと方法
2 調査内容
第4章 学校支援委員会による学校ガバナンス
1 学校支援委員会による学校運営における参加
2 学校支援委員会からみる住民参加と意思決定
3 学校支援委員会に対する役割と期待
4 学校間の比較
第5章 地域住民の学校参加の阻害要因と促進要因
1 低関与の学校支援委員会からみるSBMの阻害要因
2 高関与の学校支援委員会からみるSBMの促進要因
3 カンボジアにおけるSBMの効果
結 論 カンボジアの学校運営における住民参加
1 社会的・文化的要因の住民参加への影響
2 カンボジアのSBMの効果と課題
資 料
文献目録
おわりに
索 引
レビュー(0件)