従来は、複式の勘定記録や決算財務諸表などに掲載されている“会計的記号”としての資産や負債と、“現実世界に存在する”財産、債権、そして債務、とを混同したままに、会計的概念の規定がなされ、その規定にもとづいて、すべての会計構造が説明されていた。本書は、この論理とは一線を画しつつ、論理を展開している。資産、負債、および資本の各勘定(“ストック勘定”)も、収益および費用の各勘定(“フロー勘定”)も、ともに「資金の流れ」を表す勘定としての性格を有している。本書は、この点に配慮しつつ、中世イタリアの銀行業における取引とその記帳方法を説明の起点として、会計測定の対象とその記帳方法にこだわりながら、論理を展開している。
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