滋賀県内の巨木の生態・歴史・保護方法を詳説した絶好の旅案内!
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滋賀県は豊かな自然に恵まれ、四季折々の風景が楽しめる美しい土地です。県の面積の6分の1を琵琶湖が占め、その琵琶湖を中心とした湖国のすばらしさは滋賀県民の誇りとするところです。この日本一の琵琶湖を守り育ててきたのが、それを取り巻く山々の木々であり、緑なのです。このような緑豊かな県内にある「巨木」のことをご存じでしょうか。
滋賀県には昔から中山道をはじめとする主要な街道がいくつも通り、その街道筋が栄えることで人口も増えてきました。そしてそれらの町では、神々を崇拝し、先祖を敬うという日本人の心の文化が継承され、多くの神社や寺院が造られていったのです。それらの寺社を訪れると、御神木と言われるような巨木に会うこともできます。しかし、これらの巨木、決して安穏にスクスクと育ってきたわけではありません。戦国時代には幾多の戦いの舞台となった近江の国を見続け、炎の海と化した場所で生き抜いてきたのです。このような樹木の歴史を考えると、そのけなげさに哀れみを感じると同時に、自然への畏敬の念が生まれてきます。さて現在、様々な自然環境の変化が理由となって、これらの巨木に新たな生きづらい環境が拡がってきています。「名松」と言われた松が松食い虫によって枯れたり、杉の巨木が台風によって被害を受けることもあります。また、これまでにたくさんの人が押しかけて木の根元を踏み固めてしまったことによって、枯れ死を早めた巨木もあります。
本書では、環境の変化にじっと耐えて精一杯生きている数々の巨木を紹介していくわけですが、お読み下さった方々にはぜひ、樹木にダメージを与えないような配慮をもって巨木たちに会いに行ってもらえればと願っています。巨木のことを知り、保護する大切さを、本書を通して分かっていただければ幸いです。
(辻 宏朗「滋賀の名木を訪ねる会」会長)
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