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毎日出版文化賞 芸術部門受賞 2020年 本屋大賞ノミネートの話題作 パートナーなしの妊娠、出産を目指す夏子のまえに現れた、 精子提供で生まれ「父の顔」を知らない逢沢潤ーー 生命の意味をめぐる真摯な問いを、切ない詩情と 泣き笑いに満ちた極上の筆致で描く、21世紀の世界文学! 世界25ヵ国で翻訳。米TIME誌が選ぶ 2020年ベスト小説10冊、米New York Timesが選ぶ今年の100冊に選ばれるなど絶賛の嵐に包まれ、いま世界が最も注目する作家、川上未映子の圧倒的長編! * * * * * * 生まれることに自己決定はない。だが産むことには自己決定がある。 この目も眩むような非対称を、どうやって埋めればよいのか? 母になる女たちは、この暗渠をどうやって越したのか? どうすれば、そんな無謀で勝手な選択ができるのか? 作者は、「産むこと」の自己決定とは何か? という、怖ろしい問い、だが、 これまでほとんどの産んだ者たちがスルーしてきた問いに、正面から立ち向かう。 --上野千鶴子(「文藝」秋季号) 笑橋で今日も生きる巻子の、物語終盤での言葉に、誰もが泣くだろう。(中略) この作品は間違いなく傑作である。 --岸政彦(「文學界」8月号) この作品は、全方向からの意見に耳を傾けているような、 極めてフェアな作りになっている。 それも生殖医療を論じる難しさの中で、 子どもを持つ、というシンプルな願いをどう叶えるかと、模索した結果であろう。 川上未映子は、難しいテーマを、異様な密度で書き切った。 --桐野夏生(「文學界」8月号) これ以上ないほどシリアスな倫理問題を扱っているが、 大阪弁を交えた語りやセリフの爆発的な笑いの威力よ。 破壊と創造を同時になしとげる川上語も堪能されたし。 --鴻巣友季子(「毎日新聞」7月28日書評) 川上は、女性が女性の身体に与える影響〓力について考え、意図的なものもそうでないものも含めた身体の変化の背景にある感情を、ユーモアと共感をもって描きだしている。 (米「ニューヨーカー」2020年5月11日) 川上は身体について動揺するくらい的確に描いている。(中略)そしてこの作家は身体が求めているものを捉えるのがとりわけうまいのだ。 ーーケイティー・キタムラ(作家)米「ニューヨーク・タイムズ」2020年4月7日 * * * * * * この物語には、人が生まれて生きて、そしていなくなることの、 すべてがある。
レビュー(232件)
美容室の雑誌で川上未映子さんの記事を見つけ購入しました。 まだ全部は読んでいないので、読み終えたら追記します。
力作
不妊治療、精子提供を扱った力作。川上未映子氏といえば、やや難解な小説が多いが、本作はストーリーが分かりやすく、とりわけ終盤に向けての盛り上がりは、読者を十二分に満足させる出来になっている。ただ、逆に前半が重いのが難点だろうか。
感慨深い
非常に感慨深い内容でした。 読み出すと止まらなく、一気に読みました。 自分の人生の在り方を改めて見つめ直すいい機会になりました。大人の世界に足を踏み入れ、悩んでいる人にオススメできる本だと感じました。
夏物語 川上 未映子
好きな作家 予約した 厚かったので段ボールできた