近世後期、版本・写本による書物流通は一層の広がりをみせ、多種多様な知識が創作・出版の場にも流れ込んでいった。
作者が作品を構築する際に、如何にその典拠を選びとり、構想したのか。
古語や古い文体に対する豊富な知見を、どのように作品と言う形に結実させていったのか。
挿絵と文との連環関係は如何に発展的に展開されたのか。
山東京伝、石川雅望の作品を軸に、作品の背後にある知的空間、そして、それらを縦横無尽に駆使していった作者たちの営みを、作品そのもの、そして、関連する資料から炙りだす。
従来の典拠研究、様式研究とは一線を画す、新たな文学研究の方法を示す画期的な一書。
はじめにー読むための雑感
第一部 京伝作品攷
第一章 京伝洒落本の写実
第二章 改名という作為ー『昔話稲妻表紙』論
第三章 京伝と牧之ー『優曇華物語』論
第四章 『安積沼』と芭蕉の旅路
第五章 『曙草紙』を読み解く
第六章 『浮牡丹全伝』と付合的発想
第七章 『梅花氷裂』の構想
第八章 版面からわかること
第二部 和学・和文小説攷
第一章 京伝・雅望と和学
附論 考証と戯作
第二章 古典再生ー『飛騨匠物語』
第三章 『近江県物語』の視座
第四章 『天羽衣』考
第五章 『梅かえ物語』私論
第三部 後期小説の周縁
第一章 諸国奇談集の一側面
附論 一九世紀の旅路
第二章 〽七重八重花は咲けども 太田道灌雄飛録論
第三章 叱られし人々-妙々奇談の成立
第四章 惨事と戯作
おわりにーフミ読む見巧者
あとがき
索引
レビュー(0件)