●カウンセリングの巨頭C.R.ロジャーズにおける「実務家」「理論家」「思想家」の側面を、彼の実際の諸論文に即して気鋭の研究者たちが読み解いてゆく。理論や臨床からその人物像まで、ロジャーズを包括的に理解したい読者はもちろんのこと、『ロジャーズ主要著作集「カウンセリングと心理療法」「クライアント中心療法」「ロジャーズが語る自己実現の道」』の副読本として活用するにも最適の好著。
●目次
改訂にあたって/はじめに
プロローグーーロジャーズの一生とその時代a
少年カールとピューリタニズム/青年ロジャーズの知的遍歴/臨床家ロジャーズの誕生/ロジャーズにおける中年期の危機/統合失調症プロジェクトの挫折と西海岸への転進/「静かなる革命家」ロジャーズ
第 I 部 実践家ロジャーズ
第一章 実践家ロジャーズの出立ーー『問題児の治療』
『問題児の治療』の背景/『問題児の治療』を読む
第二章 クライアント中心療法の誕生ーー『カウンセリングと心理療法』
『カウンセリングと心理療法』の背景と特徴/「カウンセリングと心理療法』を読む
第三章 クライアント中心療法の展開ーー『クライアント中心療法』
『カウンセリングと心理療法』から『クライアント中心療法』へ/『クライアント中心療法』を読む/その後の実践家ロジャーズ
第 II 部 理論家ロジャーズ
第一章 パーソナリティ理論
「人格と行動についての理論を読む/クライエント中心療法の立場から発展したセラピィ、パーソナリティおよび対人関係の理論」を読む
第二章 ロジャーズの治療理論
「パーソナリティ変化の必要にして十分な条件」を読む/『治療関係とそのインパクト』を読む
第 III 部 思想家ロジャーズ
第一章 ロジャーズの人間観を読む
「人間の本性についての覚書」/「ロジャーズとブーバーの対談」、「ロジャーズとメイの公開書簡」/ロジャーズの人聞観を支えるもの/他
第二章 ロジャーズの教育論を読む
『学習する自由』/『学習する自由 八○年代のために』
第三章 ロジャーズの結婚論を読むーー『パートナーになるということ』
本書の性格/ロイとシルビアにみる「衛星関係」/豊かな結婚生活とは
第四章 ロジャーズの社会思想を読む
『パーソナルな力について』/「、ルスト・ワークショップ」/ロジャーズの国際平和運動とわれわれの課題
第 IV 部 ロジャーズ理解を深めるために
第一章 クライアント中心療法の展望ーーロジャーズ以前と以後の問題を中心に
ロジャーズ以前:クライアント中心療法の誕生におけるランクーロジャーズ問題/他
第二章 クライアント中心療法の立場から専門性・資格について考える
ロジャーズは「専門性」についてどう考えたか/クライアント中心療法における「専門性」の位置づけ/他
第三章 「クライアントセンタード」とは何かーーカウンセリングの実践原理として
クライアント中心療法における典型的体験/カウンセリングの「実践原理」としての「クライアントセンタード」/おわりに:日本文化との関係
エピローグーー「心理学者の衣を着た宣教師」ロジャーズ
ロジャーズにおけるピューリタニズム/ロジャーズが「今」を生きていたならば/臨床家の<使命〉とは何か
文献
■解説
『ロジャーズを読む』は、ロジャーズの数ある著作の中からもっとも重要ないくつかを取り上げ、その内容を紹介すると共に批判的検討を加えていったものである。その際、ロジャーズには<実践家ロジャーズ><理論家ロジャーズ><思想家ロジャーズ>という三つの側面があるとの前提に立ち、各々の側面ごとに重要な著作を選定していった。したがって本書を読めば、ロジャーズの思想と理論と実践とを含んだ全体像を、そのいずれにも偏ることなく、しかも彼の著作そのものと密接なつながりをもって知ることができるようになっている。この意味で本書 は、これからロジャーズおよびクライアント中心療法を学ぼうとさ れている方々、また現在学びつつある方々にとって、格好の入門書となるはずである。ロジャーズの世界に歩み入るための最適なガイドブックと言ってもよいであろう。さらに本書は、四人の執筆者が、実在した臨床家ロジャーズその人を批判的に検討することを通して、ロジャーズの本質、<ロジャーズなるもの>を掴み出すことに心傾け、それぞれの独自の視点から自分なりの<ロジャーズの読み方>を読者の方々に供するものとなっている。
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