本作は「陰陽師」というシリーズの中の1作である。「陰陽師」とは、実在した安倍晴明(921-1005)という陰陽師をモデルとしているという主人公が活躍するシリーズで、長く書き継がれていて多くの小説作品が在り、それらを原案とする映像作品も多く制作されている。 “呪”(しゅ)というような事は、現代の目線では酷く判り悪いが、平安時代に在っては誰かが書き綴った日記等にも言及が在って、数々の説話文学にも材料を供している、「確りした“歴史”」という側面も在る、大きな存在感を示しているモノだ。この「陰陽師」というシリーズは、そういう辺りに題材を求めたファンタジーで、なかなかに愉しい。怪異な事件が在って、優れた陰陽師である安倍晴明が、色々な話しを聞き付けて伝えると同時にそして行動を共にすることも多い源博雅と共に解決に向けて奮闘し、周辺に色々な人達の物語が在るというような展開が基本だ。長短様々な作品が在るのだが、本作は「少し長いモノ」ということで構想され、足掛け3年、正味丸2年の雑誌連載を経て纏まった作品であるという。 上巻では、序章で何やら怪異な出来事が起こっているが、ここに未だ少年という極若い年齢だった安倍晴明が居合わせたという様子が描かれる。そして長じてシリーズのよく在る雰囲気で話しが始まる。表立った公な感じの場では、より高い地位なので丁寧に話す源博雅が、個人的な友人として安倍清明の所を訪ねて、酒を呑みながら談笑する訳だが、博雅は清明に酷く気になる出来事の話しが拡がっていると伝える。或いはシリーズの物語の最初の方の「パターン」なのだが、こういうのが何となく好い… 博雅が清明に伝えるのは、孕んだ女が惨殺され、腹を裂いて胎児が引出されたという惨い事件の散発が話題になっているという事と、実際に金品を奪うのでもない、不思議な強盗が現れているという件だった。その不思議な強盗に関しては、少し名前が知れた年配の人達の屋敷に現れているということであったが、清明はその被害に遭った人達の名を観て気になることが在った。,「陰陽師」のシリーズは大好きです。 初の長編もはずれ無しの面白さでした。,1,2作目と5作目を読んで、すっかりはまってしまいました。今回は、一気に8冊を購入。相変わらずのストーリーにワクワクドキドキしながら読んでいます。安倍晴明と源博雅とのコンビが素敵です。,短編集のほうは、あまりにあっさり読めてしまって、 すごく物足りなさが残ったけど、 こちらは、上下2巻でしっかり読み応えありました。 おどろおどろしさと、清明と博雅の会話、 どちらも堪能できました。,おもしろいです。本屋に行くのが面倒なので、ネットで買いましたが、送付も早いし、丁寧だし。ないようがわかっていて購入するならやはりここです。内容はもちろん問答無用で面白い・・・。お薦めです。家族友人みんなで回し読みです。
レビュー(95件)
本作は「陰陽師」というシリーズの中の1作である。「陰陽師」とは、実在した安倍晴明(921-1005)という陰陽師をモデルとしているという主人公が活躍するシリーズで、長く書き継がれていて多くの小説作品が在り、それらを原案とする映像作品も多く制作されている。 “呪”(しゅ)というような事は、現代の目線では酷く判り悪いが、平安時代に在っては誰かが書き綴った日記等にも言及が在って、数々の説話文学にも材料を供している、「確りした“歴史”」という側面も在る、大きな存在感を示しているモノだ。この「陰陽師」というシリーズは、そういう辺りに題材を求めたファンタジーで、なかなかに愉しい。怪異な事件が在って、優れた陰陽師である安倍晴明が、色々な話しを聞き付けて伝えると同時にそして行動を共にすることも多い源博雅と共に解決に向けて奮闘し、周辺に色々な人達の物語が在るというような展開が基本だ。長短様々な作品が在るのだが、本作は「少し長いモノ」ということで構想され、足掛け3年、正味丸2年の雑誌連載を経て纏まった作品であるという。 上巻では、序章で何やら怪異な出来事が起こっているが、ここに未だ少年という極若い年齢だった安倍晴明が居合わせたという様子が描かれる。そして長じてシリーズのよく在る雰囲気で話しが始まる。表立った公な感じの場では、より高い地位なので丁寧に話す源博雅が、個人的な友人として安倍清明の所を訪ねて、酒を呑みながら談笑する訳だが、博雅は清明に酷く気になる出来事の話しが拡がっていると伝える。或いはシリーズの物語の最初の方の「パターン」なのだが、こういうのが何となく好い… 博雅が清明に伝えるのは、孕んだ女が惨殺され、腹を裂いて胎児が引出されたという惨い事件の散発が話題になっているという事と、実際に金品を奪うのでもない、不思議な強盗が現れているという件だった。その不思議な強盗に関しては、少し名前が知れた年配の人達の屋敷に現れているということであったが、清明はその被害に遭った人達の名を観て気になることが在った。
ハズレ無しの面白さ
「陰陽師」のシリーズは大好きです。 初の長編もはずれ無しの面白さでした。
1,2作目と5作目を読んで、すっかりはまってしまいました。今回は、一気に8冊を購入。相変わらずのストーリーにワクワクドキドキしながら読んでいます。安倍晴明と源博雅とのコンビが素敵です。
読み応えあり
短編集のほうは、あまりにあっさり読めてしまって、 すごく物足りなさが残ったけど、 こちらは、上下2巻でしっかり読み応えありました。 おどろおどろしさと、清明と博雅の会話、 どちらも堪能できました。
最高です
おもしろいです。本屋に行くのが面倒なので、ネットで買いましたが、送付も早いし、丁寧だし。ないようがわかっていて購入するならやはりここです。内容はもちろん問答無用で面白い・・・。お薦めです。家族友人みんなで回し読みです。